マンガの効果で売り上げ4倍! レズ風俗経営者が語る、“女性だけの世界”が必要なワケ
2年前、漫画家・永田カビさんがレズ風俗に行った経験をつづったマンガ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)が話題になった。そのマンガに登場したレズ風俗店「レズっ娘クラブ」の代表・御坊(おぼう)さんが、このたびレズ風俗を始めたきっかけから10年間の店舗経営の経験をまとめた著書『すべての女性にはレズ風俗が必要なのかもしれない。』(WAVE出版)を上梓した。そこで、御坊さんに、女性が女性に癒やしを求める心理やレズ風俗の魅力について話を伺った。
■体重や容姿を気にすることなく、誰でも利用してほしい
――永田カビさんのレズ風俗レポのマンガを読んだとき、どういう感想を持たれましたか?
御坊さん(以下、御坊) 最初、レズ風俗のマンガがピクシブにアップされていると聞いて読んだときは、東京の店かと思っていました。でも読んでみたら「大阪弁やんなあ」って(笑)。それでカビ先生のTwitterアカウントを見つけて「うちかな?」と聞いたら「そうです。そちらです」「こんなレポ公開して、だめだったら消そうと思っていた」というようなことを言われたので、「いやいや! うちも宣伝させてもらいます!」って話を交わしたんです。カビ先生の本のおかげで、お店の売り上げは4倍にもなりました。
――今回、御坊さんが本書を書くことになったきっかけを教えてください。
御坊 最初は編集者の方に声をかけていただいたのですが、当時は「風俗店の経営者の本=成功者の本」だと思っていて、ウチのお店はまだそんなに成功していないし……と思って一度はお断りしたんです。でも、2017年にお店の10周年のトークイベントをロフトプラスワン WESTでやらせていただいた際、10年間の歴史を箇条書きにしたら、ものすごい量になってしまいました。トークイベントではしゃべり足りなかったんです。この10年間、もっと大変なことがあったと思い、再度編集者の方に電話して、今回本を出すに至りました。
――お店には「体重が重い」とか「容姿がよくない」「年齢的にオバサンだから」と気にして、利用を躊躇されている女性からの問い合わせが多いそうですね。男性キャストが相手をする女性向け風俗店の中には、体重が重い人の利用を断る店もあるので、気にしているのでしょうか?
御坊 本当にその問い合わせは、僕も不思議です。「体重が重いので心配です」っていうテンプレートがネット上のどこかに落ちているのではないかと思うほど、自分の体重や容姿、年齢を気にする問い合わせが多いです。体重が重いから店を利用できないって、まず女性に対して失礼ですよね。お店のルールさえ守ってくれたら、誰でも来てほしいと思っています。
また、「私、キャストさんにエッチだと思われませんか?」と不安な気持ちを問い合わせてこられる方もいますが、「いやいや、そういうことをするお店だから、だいたいのことは大丈夫ですよ!」って(笑)。でも、その一言で安心して、予約を入れてくれたりします。利用したいと思っていても、もうひと押し欲しい方が多いようです。
――永田カビさんも、実際にお店に行くまで、ものすごく悩んでらっしゃいましたよね。
御坊 初めての方が利用するハードルは高いと思うので、そこは下げないといけませんよね。「行かない理由」ではなく「行く理由」をたくさん作りたいです。2月中限定で、本書を買ってくれた方には書籍購入割引も実施しました。この割引を使って予約をしてくれた方もいますし、こういうきっかけや理由を、こちらから作ってあげたいです。