サイゾーウーマンカルチャーインタビュー「ヘリコプターペアレント」の実態と対策 カルチャー 育児相談室「ポジカフェ」主宰・佐藤めぐみさんインタビュー 厄介な「ヘリコプターペアレント」の実態と対策――何も決められない子どもが育つ!? 2018/03/07 15:00 インタビュー育児 子どもの自分力を奪う“ヘリコプターペアレント” 子どもの行動を観察し、問題が起きれば飛んでいくヘリコプターペアレントは、子どもの成長のチャンスを奪う、と佐藤さんは指摘する。 「ヘリコプターペアレントが抱える最大の問題点は、自分で立つ力が子どもに育たないこと。親が子どもの人生や経験の多くを決めてしまうので、圧倒的に“決断”する機会が減ってしまいます。すると『自分で決められない』『自分の意思がない』といった、いわゆる“自分力”が欠如したまま育ってしまうのです」 さらに、幼少期に失敗を重ねなかったことから、“完璧な自分しか認められない”“自分を好きになれない”などのネガティブな自己観や、精神的な不安定さにつながっていくという。 「幼少期は、ママに見てもらうことがうれしいため、『うちの親は距離感が普通とは違う』ということに気づきにくく、小学校高学年〜中高生になって初めて、自分と親の“距離の近さ”にとまどいや苦痛を感じるようになります。その間も、親によるヘリコプターペアレンティングは続きますが、苦痛や煩わしさを感じつつも、十分な自分力が育っていないために従わざるを得ないという、不格好な共依存で悩むケースもあります。私が行っている育児相談でも、ヘリコプターペアレントに育てられた人がママになり、自分の育児に悩んでいるというケースは多いです。みなさん、親からの過干渉によって子ども時代にツラい思いをしていて、『私はヘリコプターペアレントになりたくない』と、親を反面教師にしてがんばっている方が多いように感じます」 子どもが悩まないように――と親がレールを敷き続けた結果、親元を離れた途端に、その子どもは途方に暮れてしまうというパターンだ。 「このようなケースは、大きくなってから『自分力が欠如している』と認識することが多いと思います。大人になってから気づく人も多くいらっしゃいます。なので、克服法を欲しているのは、自分の力で立つことを求められる大人に(ママに)なってからが多いように感じています。手前味噌になりますが、私が普段している活動そのものが、それに当たります。ポジティブ育児メソッドでは、子どもの心だけでなく、ママの心も支え、ママ自身の心を強くする働きかけをしています。小さい頃からの自己概念は根強いものですが、きちんとした働きかけがあれば、大人になってもそれを塗り替え、たくましくすることができるからです」 佐藤さんの言う「小さい頃からの自己概念」をたったひとりで変えるのは、とても難しいはず。母としての“たくましさ”を身につけるために、専門家にサポートしてもらうのも、克服法のひとつなのだ。 次のページ 子どもが示した“距離感”を大切にする 前のページ123次のページ Amazon 親離れできれば生きることは楽になる 自分がもっと強くなる“一人立ち”のすすめ (PHP文庫) 関連記事 診療報酬詐欺事件で有罪判決の脇坂英理子 心の闇は毒親が原因だった!?「娘なのに可愛いと思えない」毒親に悩み続けた姫野カオルコが、亡き母の日記に見た一筋の光「発達の遅れを指摘された」保育園にクレームを入れ続けた“モンペママ”の悲痛な叫び安藤美姫、元コーチとの「妊娠」「結婚式ドタキャン」の過去発覚! 「モンペの母親の一存という指摘も」モンペの紹介、遠方の人……保育園経営者が明かす「こんな親はご遠慮願います」