『今日も拒まれてます』インタビュー前編――“セックスしない嫌がらせ”に耐える「レスハラ」の実情とは
ポレ美 男友達に誘われた話も、実際に起こったことなんですが、こっちがすごく悩みを抱えていて、男性の意見を聞いてみたくて相談したら、最終的に「いいじゃん、しようよ」みたいになって。ほんと、何なんだろうって。
――この“セックスレス・ハラスメント”をサブタイトルに選んだ理由というのは?
ポレ美 メインタイトルの『今日も拒まれてます』は私が考えたんですが、サブタイトルは編集さんがつけてくれました。根深いテーマだから、この言葉はどうだろうって。今振り返ると、とても内容に合っているのかな、という気はしています。
セックスレスで悩んでいたポレ美は、徐々に妊娠を意識するようになり、物語は妊活に突入。張り切って妊活に臨むものの、肝心のセックスには至らず、焦りを感じていた。そんな中、実妹の妊娠を知り複雑な心境に。さらには子宮に異状が見つかり、妊娠するなら早いほうがいいと医者から忠告を受けてしまう。そこに義母が上京し、夫の姉も第三子を妊娠した事実を告げる。ポレ美がなぜそのことを黙っていたのかと夫を詰問すると、夫は「言って何か得があるの?」「言ったところでどうせ責められるだけでしょ」と、冷たい顔で言い放つのだった。
――実妹さんと義姉さんの妊娠あたりから、互いの両親からの「子どもはまだ?」という重圧や、夫・山木さんの冷たい言動によるショックで、物語は不穏な空気を醸し始めます。当時のポレ美さんには「子どもを作らなければ」という強迫観念に支配されていたところがあったのではないでしょうか。
ポレ美 そう! すごくあったと思います。今思うと、追いつめられて冷静さを欠いていたなと感じていて。どっちの両親も、わりと口に出すタイプの人でしたから。うちの両親は、向こうの両親に悪いから子どもを早く作ったほうがいいんじゃないか、という意見で。向こうの両親は、なんで新婚のあなたたちにできなくて、お姉ちゃんのほうに3人目ができるの? と無邪気に聞いてくる感じでした。
――無邪気な感じで聞かれるのも、つらいですよね。