“ぽっちゃり”女性と男性のコンプレックス、モテ意識はどう違う?【la farfa×Mr.Babe編集長対談】
倉科 確かに、男性は10代の頃は、いわゆるスタイルがいい美人と付き合いたいと思いがちですよね……。でも、やっぱり結婚するなら容姿ではなく性格が合う、困ったときに手を貸してくれる女性がいい。女性も同様だと思います。だから誌面では、デブでもチビでもハゲでも関係ない。清潔感があって明るく前向きであれば、女性にモテる、と毎回打ち出しているんですが、太ることは、日本ではネガティブな方向に行ってしまう傾向がある。お笑い芸人のようにうまく武器として使える人はいいですけど、子どもの頃はいじめの対象になりやすい。
清水 価値観の多様性がやっと認められてきて、今はいろいろな考え方がある。それでも変わらず女性の美しさは「痩せてる=かわいい、きれい」「太っている=醜い」と捉える向きが強い。しかし、痩せ信仰は欧米では変わってきつつあります。2018SSニューヨークコレクションには、人気のプラスサイズブランド「TORRID(トリッド)」がデビューし、カーヴィモデルがランウェイを闊歩していた。海外では徐々に変わってきていますね。フランスでは「痩せすぎモデルを規制する法律」が2015年に可決され、昨年5月に施行されたようで、その影響もあると思います。
倉科 男性でも有名なモデル事務所がぽっちゃり男性モデルを起用し始めています。大昔にさかのぼれば、ミロのヴィーナスはおなかもふくよか。痩せ信仰はアパレル企業の戦略なんですかね。
清水 日本でぽっちゃりしている有名女性といえば、渡辺直美さんが人気とはいえ、やはり“芸人さんの枠”ですよね。女優さんでぽっちゃりして人気がある方がいるかというと、いない。アナウンサーの水トちゃん(水卜麻美・日本テレビアナウンサー)は“癒やされる”という枠ですし。そうではなく、本当にカッコいい、美しいという方向でフィーチャーされるぽっちゃり女性が出てくれば、社会的にネガティブな価値観はなくなってきて、体型によって評価されることも少なくなると思う。
倉科 ぽっちゃりな人のアイコンになっていただける、引っ張っていただけるキャラクターの人が少ないですね。「ミスターベイブ」では、1号目のカバーに、アメリカの俳優・ジャック・ブラックさんを起用しました。彼のようにおちゃめでおしゃれでカッコいいアイコンになる方が日本にもいれば、すぐに価値観は変わると思いますよ。
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