ジャニーズ事務所、ネットでの「写真解禁」で何が変わる? “掲載NG”の牙城崩した背景とは
ジャニーズ事務所が1月31日、所属タレントの画像をネット上に掲載することを認めると発表し、ファンやマスコミ間で大きな話題になっている。「使用写真は原則3カットまで」など、細かいルールも設けられているが、今回の決定を各メディアはどう見ているのだろうか。
「ジャニーズは公的な場所、つまり記者会見やイベントなどで撮影されたものに限り、写真のネット掲載を解禁しました。これまでは肖像権保護を理由に認めておらず、そのせいでウェブのニュースサイトは、ジャニーズタレントが写っていない画像を使用しなければいけなかったんです」(ウェブメディア編集者)
ウェブメディアが台頭してきた10年ほど前から、ジャニーズによる“ウェブメディアの写真NGルール”は現場で徹底されていた。
「当初はウェブメディアというだけで、会見場の出入りを禁止にされるケースもありましたが、次第にスポーツ紙もウェブサイトを運営するようになり、ジャニーズ側も『アンチ媒体でなければウェブメディアでも受け入れる』または『写真を使わなければ取材OK』など、態度を軟化させていきました」(同)
現在では、ジャニーズのそうした姿勢は異常に映るが、かつてはそこまで珍しい話ではなかったようだ。
「大手や老舗のプロダクションも、ジャニーズと同様に、ウェブメディアの“出禁”を普通に行っていた。また、現在でもレプロエンタテインメントは、ジャニーズと同じくウェブへの写真掲載は3カットまでとしているし、エイベックスも10カットまで、長良プロダクションは1カットのみ、さらに掲載期限も1週間と定めています。とにかくジャニーズに限らず、多くの事務所がウェブの写真掲載に対して制限をかけているので、『全面使用NG』でなければ、特に不自然なことではありません」(同)
一方、ネット上では、ジャニーズタレントだけ写真掲載されない状況に違和感を持っていたという声が多く上がっている。
「例えば、イベントで他事務所のタレントとジャニーズが共演した場合、集合写真を撮る際はウェブ媒体で掲載する用の『ジャニーズ抜き』のものを別途撮影する必要がありました。当初は、他事務所のタレントから『面倒くさい』と不満も多く出ていたものですが、それでも『ジャニーズと共演するなら、しょうがない』という認識が、すぐに芸能界全体に広がったように思います。しかし、近年は海外メディアから『いち事務所の言い分に従っている日本のメディアは歪んでいる』などと批判されるケースがあり、それもジャニーズが解禁に踏み切った理由の1つかもしれません」(芸能プロ関係者)
また、写真の3枚ルールに関しては、むしろ「制限して大正解」という指摘も。
「制限がなければ、アクセス稼ぎで写真を50枚、なんなら100枚以上と、報道の範疇を超えた枚数を掲載するサイトが出てくるのでは。以前あるウェブメディアが、タレントの画像を、まるでパラパラ漫画のように大量掲載して、所属の大手プロからクレームが入ったというトラブルもありました」(同)
今後、ウェブでの写真解禁は、メディアにとってどんな恩恵をもたらすのだろうか。
「ウェブメディアからすれば、やはり読者に伝わりやすい記事を作れるとあって、喜ばしいことでしょう。ただ、スポーツ紙にとっては『売り上げが減るのではないか』という懸念もあり、全面的に賛成とはいかないでしょうね」(前出・関係者)
一部では、今回の写真解禁について、ジャニーズを退社して「ウェブメディアも写真掲載 OK」となった稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾への“あてつけ”ではないかという意見も上がっている。果たしてジャニーズにとって、この遅すぎた規制緩和はプラスに作用するのだろうか。