小室哲哉の不倫&引退会見があらわにした、フジテレビほかマスコミの“勝手な”認識
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
評論家の西部邁氏が入水自殺した。生前、“自分の死は自分で決める”と公言していたが、やはり衝撃だ。1990年代、「噂の真相」では改憲、核武装といった主張を繰り返す西部氏の批判記事を掲載したが、最近では安倍晋三首相批判を繰り返していた。そんな西部氏に昨年偶然お会いしたことがあった。ニコニコしながら、しかし日本に対する憂いなど持論を熱く語っていたことが印象的だった。冥福を祈りたい。
第398回(1/18~1/23発売号より)
1位「小室哲哉 『涙の会見』で隠した未来の夢――『もう一度、KEIKOと復活を!』」(「女性自身」2月6日号)
2位 「特写&インタビュー 草なぎ剛 『立ち止まっているより前に進んだほうがいい』」(「週刊女性」2月6日号)
3位「秋元優里アナも!? “竹林不倫”の衝撃 とにかく外が好きな女たち」(「女性セブン」2月1日号)
小室哲哉の不倫&引退会見が波紋を呼んでいる。先週発売の「週刊文春」(文藝春秋)が報じた小室不倫疑惑だったが、1月19日に行われた会見で小室は、療養中の妻KEIKOの介護生活を語り、かつ音楽界からの引退を発表したからだ。
だが巻き起こったのは、“おかしな批判”だった。その最たるものが「妻の症状をそこまで詳細に話すべきではない」という批判だ。
特にひどかったのがフジテレビの情報番組。『直撃LIVEグッディ!』では木村太郎が、妻のプライバシーを暴露したと激怒、「自分の奥さんを口実に、そういうことを人に言うのはありえないことだろう」「許せない」とまで言えば、安藤優子も小室の「(妻の現状を)お恥ずかしい話」という発言を非難している。また『バイキング』も、さらに輪をかけてひどかった。坂上忍は「いくら旦那とはいえ、あそこまで病状を赤裸々に語れるのかなって疑問に思う」と発言すると、IKKOもそれに同調、東国原英夫も「介護を理由にしたのは謹んでもらいたい」など“現状”を語った小室を批判した。これに対し、フィフィが珍しく介護について理解を求める場面もあったが、坂上はこれを感情的に制止までしたのだ。
一体、何を言っているのか。そもそも小室がその詳細を語らなかったとしたら、記者たちは逆に根掘り葉掘りKEIKOの現状についての質問をしたはずだ。「KEIKOは不倫についてどう思っているのか」「何か話し合ったか」と。それに対し、小室は今回自ら語ったのと同じくらいKEIKOの詳細を語らざるを得なかったはずだ。そうでなければマスコミは納得しないのだから。それを小室が自ら話したらバッシング。ご都合主義もはなはだしい。しかも介護は個々のケースによってそれぞれ異なるものだし、大きな困難を伴うものだ。しかし坂上や安藤は、そんな想像力もなく、自分たちの勝手な価値観を押し付けようとした。自分たちの無知をさらけ出した。つまり、ここまで詳細に説明しなくては、マスコミや世間は理解しない。小室はそう判断したのだろうし、しかしそこまでしても、メディア、いやワイドショーは結局、理解しようともしなかったということだろう。
そして今週の「女性自身」だ。記事は締め切りの関係上、こうした議論については触れてはいない。ただ、スポーツ紙記者のこんなコメントが掲載されている。
「KEIKOさんは少しずつ回復していると言われてきただけに、小室さんが自分の生活に支障をきたすほどつらい状態にあることに、驚きの声もあがりました」
“状態を知って驚いた”。小室が自ら口を開く以前の、これがマスコミの“勝手な”認識だった。これはある意味必然であり、しかしある意味“事件”でもある。