20キロ増量したプラスサイズモデルに聞く、“デブ活”の苦労と「日本人女性の美意識」
――なるほど。海外では体が大きくても、すごく生き生きとしてる人が多い印象の一方で、日本人は「きゃしゃな女の子が正義」という感覚があると思いますが、そんな中であえて“大きな体”づくりをされたことで、世間の風当たりや対応は変わりましたか?
りょー 痩せてた時と、対応はかなり変わりましたよ! 特に男性からの対応は、相当変わりました。少なからず、昔は男性に「かわいいね」「きれいだね」と言ってもらう機会もあったんですが、20キロ太ってからは、めっきり言われなくなりました(笑)。あと、最近は実年齢より上に見られたり、「お母さん」「お姉さん」っぽく見られたりしがちになりましたね。
――そうなんですね。「日本人女性の美意識」って、男性目線の影響が強いイメージがありますが、それについてはどう思いますか?
りょー SNSを意識した現代では、女性からの目線も強いと思いますよ。私の場合は、レディースファッションのモデルという仕事柄、女性の「いいね!」が必要なんです。なんというか、「あざとい女」ではなくて、あっけらかんとした、親しみやすさを感じる魅力が受け入れられやすいのかなと思います。
――では「お母さん」的なイメージも、むしろちょうどいいのでしょうか?
りょー 肉感の魅力をお届けしたいと思っていますが、不服はあります!!(笑) それに、性的な対象になりたいなと思ってます(笑)。同性から見ても、異性としても、魅力的な女性でありたいと思いますね。
――特に男性からの対応が変わったと考えると、「プラスサイズモデル」の魅力は女性の方が理解できそうですよね?
りょー どうでしょうか……。太ってる人は、だらしないイメージが強いじゃないですか。見栄張って、「昔は痩せていた」って言う人は多いんですけど、それでも、「どうせ前から太ってたんでしょ」と思われることが多いものです。でも、言葉が悪いかもしれないですが、昔の写真を見せたり、「仕事でこの体形をキープしてる」と言ったりすると、みんな見る目が変わります。女性からは、「顔はいいから、そのままいけ」って言ってもらえますしね! 太っている人が嫌いな方じゃなければ、男女ともに受け入れてもらえますよ!
――「デブ活」を、やめたくなったことって、ありませんでしたか?
りょー あります! 世間からの目が冷たくなったというのが理由です。また、仕事柄、写真を撮ってもらう機会が多いのですが、撮影データを見ていて二重顎を見つけたときとか、とてもやめたいという気持ちになりました。お気に入りの服が着られなくなったとか、狭いところを通るとおしりがぶつかるとか。あと、電車で服を踏まれることも増えましたね(笑)。
――体重が増えたことによる弊害は、ほかにもありますか?
りょー 20キロ太ってから、骨を折りました。たたりですかね(笑)。ダンス中に着地したところに物が転がってきて転んだんです。それだけで足首の骨が折れました(笑)。無理なダイエットをしていた時もあったので、急に体重を増やしたから耐えられなかったのかも。