産科病棟でヘロイン売る新米パパ、不法侵入でスナチャの女子……2017年アメリカおバカニュース
2017年のアメリカは、異例の低支持率でドナルド・トランプ政権がスタートするなど、年明け早々から幸先が悪かった。激化するデモ、史上最悪の銃乱射事件、ハリウッドや政界における権力者たちのセクハラ問題……国内外でテロの恐怖におびえ、遠く離れた北朝鮮の挑発にも気を揉み、「多様性が大切」と主張する人が多いわりには、差別や格差が一層進んだようにも感じられる、まさに怒涛の1年だった。
物騒な事件が多く、何度も全米が大きな悲しみに包まれることもあったが、そんな中でもなんともアメリカらしい/アメリカならではのおバカ事件が次々と発生。今回は17年に、アメリカで起こった事件の中から「全米おバカニュース ベスト10」をご紹介しよう!
■クレーマーカップル「チキンが冷めてる!」と店主をボコボコに
食べることが大好きなアメリカ人は多い。裕福な層には意識高い美食家たちも少なからず存在するが、貧困層は安くて量が多くてお得感満載なファーストフードをこよなく愛す。そのためか、ファーストフード店で「量が少ない!」とクレーマーに豹変し、大騒ぎして逮捕される事件が後を絶たない。そんなクレーマーの中でも史上最悪な事件が6月、複数の米メディアで報じられた。
事件は、ジョージア州バックスレイにある「クイック・チック」というフライドチキンが売りの小さなレストランで発生した。夫婦でやってきた客が「チキンが冷めてる!」「ポテトの量が少ない!」とクレームをつけ、女性店主は「そういうことなら」と返金する。それでも2人の怒りは収まらず、店の外に出ても怒鳴りまくり、外に出てきた女性店主に罵声を浴びせてボコボコに殴り倒し、止めに入ろうとした店主の娘の顔面にもパンチするという暴れぶりだった。
2人が殴られている様子は防犯カメラに撮られており、メディアがこぞって放送。その暴行の様子があまりにもひどすぎて、話題騒然となったのだ。
映像には、でっぷりと太った中年の男がレストランの外で女性店主に罵声を浴びせている様子が映し出されている。音声はないが、中年の男は全身で怒りをあらわにし、怒鳴りまくっている様子がわかる。
と、次の瞬間、痩せた女が駆け足で現れ、女性店主に殴る蹴るの暴行を開始。手加減なしでボコボコにされ、店主は倒れてしまう。店前に止めてあった車からオーナーの娘(15)が果敢に飛び出して2人に抗議すると、男はなんと娘の顔面にもパンチ! 2人はさっさとその場から逃げ出したが、セキュリティがすぐに駆けつけた。女性セキュリティは号泣する娘をハグし、母である店主もタオルで鼻を押さえながら、あたりの様子を見渡している。
このクレーマー夫婦は、防犯カメラのおかげで間もなく逮捕。45歳のナサニエル・エリック・スミスと28歳のラターシャ・デニス・スミスという年の差夫婦で、11月に行われた裁判で加重暴行と未成年に対する暴行の罪状を認めた。刑はまだ確定していないが、かなり厳しいものになるのではないかと見られている。
ボコボコにされた女性店主と顔面パンチされた娘には、地域住民から同情が集まり、その後、店は大繁盛しているそうだ。