カルチャー
ブランド化は成功するのか?

飯島三智の「3人セット売り」戦略の意図は? ビジネス評論家が「新しい地図」ブランド化を分析

2017/11/18 17:00

今年9月、ジャニーズ事務所を独立した元SMAP・稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が、元チーフマネジャー・飯島三智氏と合流し、「新しい地図」という名の元、芸能活動を再開した。今回はビジネス評論家の山田修氏が、彼らの戦略を分析する。

 SMAP解散騒動、それに続いてのメンバー5人のうちの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾のジャニーズ事務所退所騒動が、昨年から今年にかけて大きな話題となっていました。退所した3人は、「SMAP育ての親」と言われる飯島三智さんが率いるプロダクション「CULEN」と合流して、サイト「新しい地図」を9月22日に立ち上げ、芸能活動再開の号砲を鳴らしたのです。

 新体制で最初の大きなイベントとなったのが、ネットTV『稲垣・草なぎ・香取3人でインターネットはじめます「72時間ホンネテレビ」』(AbemaTV)への3日間の生出演。ネット番組なので、視聴者は断続的に替わっていったはずですが、延べで7400万回ものクリックが記録され、ネットテレビ視聴の新記録となりました。

 地上局テレビの視聴率は、1%だとしたら関東地区では40万8,000人の視聴者数と推定できるそうです(『視聴率ハンドブック』株式会社ビデオリサーチ)。ですから7400万回クリックというのは、7400万人が見たということではないのですが、それなりに大きな数字なのでしょう。世間の「SMAPロス」が大きかったことが窺えます。

■「SMAP」という大ブランド、「新しい地図」という新ブランド

 SMAPは5人グループでしたが、「新しい地図」は3人です。昨年からの動きは、ビジネスでいうブランドの考え方で理解できる側面があるかもしれません。

 「SMAP」というのが、5つのケーキを詰め合わせ商品だと考えてください。5つのケーキはそれぞれに個性があり、いずれもおいしいものでした。それらのケーキは単品でも売られることもありましたが、消費者は全体の商品名「SMAP」というブランドで強く印象付けられていました。

 3つのケーキがパッケージから離れてしまうことになり、全体のブランドは終了してしまいました。元のケーキ屋さんに残った2つのケーキは個別商品として、立派に販売されていますし、引き続き愛されています。一方、離れてしまったのが3つのケーキです。離れたときから、あるいはそれ以前から、この3つのケーキは一緒に店頭に並べてもらおう、と決めていました。個別商品3つを1つのセットとして流通する、消費者にセットとして認定してもらうには、やはり新しいブランドが必要となります。そこで「新しい地図」があたかも新商品名のように機能し始めたのです。

 新商品を大々的に売り出そうとした最初のビッグ・セールが『72時間ホンネテレビ』でした。同番組では、大物タレントが入れ替わり立ち代り登場したり、元SMAPメンバーの森且行が21年ぶりに共演して、「森くん」がTwitterのトレンドワードで世界1位になったなど、いくつものプロモーション的コーナーが組まれ、話題を呼びました。また、番組の告知にSNSを積極的に使うなど、今日的なマーケティング手法も積極的に取り入れています。

 飯島さんのこれらの仕掛けは「成功を収めた」と言えるでしょう。さすが、ジャニーズ時代に「敏腕プロデューサー」「SMAP育ての親」と言われただけのことがあります。忘れられてしまう前に、旬なうちに、「SMAPロス」が世を覆っているうちに……というタイミングで、「3つのケーキ」を求め続けていた消費者に見事に応えたのです。3つのケーキは個別に売られたとしても、求められるだけの“味”がありますが、ファンは何しろ「SMAPロス」。3人をアソート(組み合わせ)したことで、復活インパクトは個別の3倍を大きく超えた効果となったわけです。

■ジャニーズを忖度したのか、テレビ局

 これだけの話題のイベントであり、大変な人気の3人組の新しい動向となった『72時間ホンネテレビ』ですが、地上波テレビ局で紹介されることはありませんでした。元のケーキ屋さんが力を持っています。デパートには、そのケーキ屋さんがとても多くのケーキを卸しているので、各デパートのケーキ売り場責任者は“Jケーキ屋”の意向にとても敏感になっているのです。

 『72時間ホンネテレビ』を放映したAbemaTVは、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同出資しています。テレビ朝日は、言ってみれば子会社が製作した番組なので、紹介するなどバックアップしてもいいのかなとも思うのですが、一切取り上げることはありませんでした(既報)。

 放送について絶大な影響力を持っているテレビ地上波各局は、つまりジャニーズ事務所に対して遠慮、配慮、あるいは今年の流行語である忖度をしているのでしょう。

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