サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」森口博子に見る母子密着の狂気 コラム 仁科友里の「女のための有名人深読み週報」 森口博子の「私が結婚できない理由」に見る、“母子密着”のはらむ「狂気」 2017/11/09 21:00 女のためのテレビ深読み週報女のための有名人深読み週報 森口博子オフィシャルブログより 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。 <今回の有名人> 「人に合わせることを覚えろ」坂上忍 『ウチくる!?』(フジテレビ系、11月5日) バラエティ番組の“結婚できないオンナ”企画は、製作費もかからず、タレント側もイジられてそれなりにおいしい。ゆえに、なくなることはないのだろう。 11月5日放送の『ウチくる!?』(フジテレビ系)に出演したタレント・森口博子は結婚願望を語るが、番組は彼女の面倒くさいルーティーンを紹介する。「イタリアンレストランでも、白湯を飲む」「18時以降は、お茶も飲まない」「バナナを持ち歩いている」「潔癖症で、ホテルや病院のそなえつけのスリッパを使えないので、二足スリッパを持ちこむ」。変わっているかもしれないが、相手に同じように振る舞うことを強要しない限り、特に問題があるとは思えない。加えて、三十年来の友人である俳優・坂上忍が「食事をする時、家族を連れてくる。あれでは恋愛にならない」と証言する。食事をした時期について明言されていなかったが、森口は相変わらずなんだとしみじみした次第である。 2012年、森口は『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)の“ワケあり独身女芸能人”の回に出演していた。森口の両親は小学生の時に離婚をし、母親は昼も夜も働いて4人の娘たちを育てたという。生活は苦しく、見かねた叔母が森口を養女にすることを申し出たこともあるそうだ。森口は幼い頃からの夢を叶え、芸能界デビューするが、鳴かず飛ばず。事務所からクビを宣告されるが、仕事を選ばずバラドルに転向、レギュラー12本を抱える売れっ子となった森口は、お母さんに家をプレゼントする。姉妹仲も良く、しょっちゅう会っていると言っていた。坂上の言う「家族を食事に連れてくる」は、森口があらゆる意味で、親族を背中に背負うという2012年方式を継続しているということだろう。 森口には結婚願望があり、母親も孫の誕生を待っている。しかし、なぜか結婚に踏み切れないのは、森口が「母親が完璧な人だったので、結婚したら自分も同じようにできるか不安」だかららしい。何を言ってるんだか、いまいち意味がわからないが、森口が母親に寄せる信頼は厚い。例えば、母親の誕生日を祝ったことについて書いた森口の公式ブログには、「ママ、生まれてきてくれてありがとう」と書かれている。皇太子妃の雅子さまが、ご出産後の記者会見で、愛子さまに対し「生まれてきてくれてありがとう」とお話しになったことがあるが、これは母親が子どもに向けて話す言葉であって、娘から母にかける言葉としてふさわしくないのではないだろうか。このほかにも、「抱きしめてあげたい」や同居しているにもかかわらず「いっぱいいっぱい一緒にすごせる時間を増やしていこう」という記述からは、母娘逆転(森口が母親で母親が娘)、もしくは母親の彼氏のような意識を持っていることがうかがえる。 このように常軌を逸脱した癒着が起きる原因を、心理学者・高石浩一氏は「マゾヒスティック・コントロール」という言葉を用いて説明している。マゾヒスティック・コントロールとは、母親が自らを犠牲にして子育てをすると、娘は恩義と罪悪感から、母親の顔色を見て物事を決めるようになってしまうことを指す。森口はブログで、母親は苦労して自分を含めた四姉妹を育ててくれたと繰り返し書いているが、これこそが典型的なマゾヒスティック・コントロールである。つまり、日本人が大好きな“子どものためなら苦労を厭わない母”と“母のために頑張る孝行娘”は、母娘依存の源泉とも言えるのだ。 次のページ 母親以外の人間はどうでもいい 12次のページ Amazon 森口博子 パーフェクト・ベスト 関連記事 虻川美穂子、「女子力高いよね」を褒め言葉と受け取る“性格”のメリット眞鍋かをりの「私は大丈夫」発言に見る、モラハラ男にカモにされやすいオンナの特徴ウーマンラッシュアワー・村本大輔、“女好き”なのに、なぜか「童貞」っぽいワケ江角マキコ“不倫疑惑スキャンダル”を通して露見した、女性が羨む“自然体”の落とし穴性適合手術を受けたKABA.ちゃん、ダメ出しをする両親の言動に欠けていたモノ