カルチャー
「職業:愛人」の女たち 第5回<最終回>

盗まれた3000万円、妻からの慰謝料請求、“パパ”がヒモ化――女が「愛人」をやめるとき

2017/11/05 21:00

 そして、生活費を取り出そうと、金庫を開けた時だった。

「3000万円近く貯めたお金が空っぽになっていたんです。銀行に貯金もないし、お財布にもほとんど残っていない。焦りましたね」

 彼の電話はすでに通じなくなっていた。もらった名刺の会社の所在地には別の会社が入っていて、前に見せてもらった免許証の住所には、やはり他人が住んでいた。もちろん、名前をネットで検索しても一切何も出てこない。すぐに彼を探し当てるのは難しそうだと、当面の生活費として知人から借金をしたり、カードのキャッシングなどで100万円を工面した。

「それからは、借金を返すために必死ですよ。風俗と愛人の掛け持ちで。100万円の返済自体は3カ月くらいで終わりました。でも、失ったお金は大きいですね。悔しいので探偵で探してもらったんですが、なんと、免許は偽造らしく、記載されていた名前で、その生年月日の人はいないらしいんですよ」

 その後、2年間必死で風俗と愛人で働いた。貯金も3000万円には届かないが、再びある程度貯まってきたという。将来の展望について聞くと、「今の彼と結婚して、普通の仕事をしながら地味に暮らしたいですね」と話す。

■ヒモ化する「パパ」
 アカネさん(仮名・26歳)が愛人として交際していた男性は、関係の半ばから“ヒモ化”したという。

「最初はお金を渡してくれてたのに、途中から『今日、持ち合わせがなくて今度でいい?』ってことが出てきて、さらには食事の時などに『ごめん、立て替えてくれない?』となっていきました。そこそこいいレストランなので、2人で食事をすると、3万円くらいするんですよ。正直、『え? なぜ、私が?』って思ったんですが、現金も持ってないし、カードも限度額いっぱいって言われたら、私が払うしかないじゃないですか。食い逃げで捕まるとか恥ずかしすぎるし。でも、そういうのが重なって行って、最終的に20万円くらい私が立て替えている状態になってしまったんですよね。結局、立て替えたお金は返ってこなくて、大げんかして、揉めに揉めて別れました」

 タカられただけなら、まだマシなのかもしれない。というのも、つぎのナナミさん(仮名・28歳)のケースは、愛人業どころか、もはや不倫以下かもしれない。

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