カルチャー
中村ゆい氏インタビュー

きゃりーぱみゅぱみゅ、人気低迷で引退説も……「原宿KAWAiiカルチャー」は終わったのか?

2017/10/27 19:00

 一部で“歌手引退説”もささやかれるようになった、きゃりーぱみゅぱみゅ。その人気低迷の背景には、「原宿KAWAiiカルチャー」自体の衰退も関係しているのかもしれない。そこで、伊藤忠ファッションシステム株式会社ナレッジ室で、生活者とファッションの関係性を切り口に、世代ごとの消費動向を分析している中村ゆい氏に、「原宿KAWAiiカルチャー」ブームの移り変わりについて話をうかがった。

KAWAII MONSTER CAFEオフィシャルサイトより

――「原宿KAWAiiカルチャー」の全盛期は、いつ頃だったのでしょうか?

中村ゆい氏(以下、中村) 12年から15年頃までだと思います。きゃりーぱみゅぱみゅさんのキャリアとリンクする部分がありますね。15年、原宿に、増田セバスチャンさんがプロデュースした「KAWAII MONSTER CAFE」がオープンしたのですが、そのあたりがブームがとても盛り上がりを見せていた時期で、それ以降は時代が変わってきたように感じます。

――時代が変わり始めた理由は何だったのでしょうか?

中村 「原宿KAWAii」の全盛期は、AKB48に加え、ももいろクローバーやでんぱ組inc.、乃木坂46など、アイドルカルチャーもかなり盛り上がりを見せており、15年頃には、女性のあこがれとなる対象が飽和状態となってしまったことが1つ挙げられると思います。同時に、ファッション的にも、「原宿KAWAii」が打ち出していたファンシーでかわいいスタイルが、オシャレではなくなり、少しずつ飽きられ始めたのではないかと。また、当時「原宿KAWAii」を支持していた女の子たちがアラサー世代になり、カルチャーの担い手となる世代が変わったことも関係していると思います。

――今でも「原宿KAWAii」という言葉自体は残っているようですが、実際はどのような状況なのでしょうか?

中村 「原宿KAWAii」は、日本のカルチャーとしてグローバルに打ち出されていることもあり、日本に関心のある外国人に向けた、体外的なマーケティングワードや観光資源としての側面が強くなっている印象を受けます。日本のリアルなマーケット・トレンドとは、もはや別の動きの、グローバルなファッションスタイルやカルチャーになっていると言うこともできるでしょう。それが、今後、新たなムーブメントにもつながっていくのではないでしょうか。

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