きゃりーぱみゅぱみゅ、人気低迷で引退説も……「原宿KAWAiiカルチャー」は終わったのか?
奇抜なファッションと独創的な世界観で、「原宿KAWAiiカルチャー」のアイコン的存在ともいわれるきゃりーぱみゅぱみゅ。海外にも熱狂的なファンを持ち、世界を股にかける活躍をみせる彼女だが、ここ最近は人気に陰りが見え始め、引退説まで飛び出しているという。
■たった半年でCDの初動売り上げ枚数が半減
きゃりーが歌手デビューを果たしたのは、2012年。ファーストシングル「つけまつける」は、初動売り上げ枚数1万3,100枚という大ヒットも然ることながら、邦楽アーティスト史上最多となる73カ国で楽曲配信されたことも、当時大きな話題となった。
その後も出すCDは次々と飛ぶように売れ、「ファッションモンスター」や「にんじゃりばんばん」「インベーダーインベーダー」など、CMソングにも数多く起用されるように。15年3月発売の10枚目シングル「もんだいガール」までは、1万枚を超える初動売り上げ枚数をキープし続けてきた。
しかし、同年9月発売の11枚目となるシングル「Crazy Party Night~パンプキンの逆襲~」では、突如として初動売り上げ枚数が半減。その年の瀬には、3年連続出場していた『NHK紅白歌合戦』の出場も逃し、そこを境に、CDの発売ペースも売り上げ枚数も、右肩下がりの状況が続いている。
■「原宿KAWAiiカルチャー」とは?
きゃりーの人気と共鳴するように、「原宿KAWAiiカルチャー」のブームにも変化がみられるように。
「原宿KAWAiiカルチャー」と聞いてまず思い浮かぶのが、カラフルでポップな色遣いにグロテスクな要素も取り入れた、奇抜で個性的な青文字系の女の子ファッションなのではないだろうか。音楽界では、きゃりーを筆頭に、近藤夏子、赤い公園、パスピエらが“原宿系”と称され、イベント『HARAJUKU KAWAii!!』に出演、また「Zipper」(祥伝社)「mer」(GAKKEN PUBLISHING)「NYLON JAPAN」(カムエル)といった雑誌が、このカルチャーを若者世代に広める一端を担っていた。日本のサブカルチャーを世界に発信していく安倍内閣のプロジェクト「クール・ジャパン」の一環として海外にも打ち出され、きゃりーは「原宿KAWAii大使」として貢献している。
このカルチャーの仕掛け人は、きゃりーのアートディレクターも務める増田セバスチャン氏で、日本文化として世界へ広めるきっかけを作ったのも彼である。それらの活動が実を結び、17年度の文化庁文化交流使にも選ばれたほどだ。
きゃりーと増田氏両者の働きかけにより、一時は若い世代を中心に一大ブームも巻き起こした「原宿KAWAiiカルチャー」。しかし近年は影を潜め、この言葉自体、耳にする機会も減っているような状況だ。