「リプライセル」は信用できるのか? 医師が明かす「ビタミンC」のウソホント
――ほかにも、市販のビタミンC錠剤と「L‐システイン」「ビオチン」を同時に飲むと美容効果が高まるとのウワサがあるのですが、こちらは医学的に見てあり得ますか?
内田 「L‐システイン」は、代謝アップや、シミの原因となるメラニンの合成を防ぐ働きがあり、「ビオチン」は皮膚炎を起こす炎症物質ヒスタミンの生成を抑えてくれるので、それぞれに美容効果があります。ただ、3つを同時に飲んだから効果が高まるということには疑問が残ります。
――では、逆に弊害が起きるといった心配はありますか?
内田 容量さえ守っていれば、同時に飲み続けても害はないです。ただ、ビオチンは、腸内で生成され、普通の生活を送っていれば不足することはまずないので、肌荒れを起こしているなどでなければ、毎日飲み続けてもそれほど大きな効果は実感できないかもしれませんね。
――市販のビタミンCドリンクでも、「豆乳と交互に飲むと肌がきれいになる」とのウワサがあるのですが、何かしらの美肌効果は考えられますか?
内田 これもそれぞれの効果で肌がきれいになるだけで、交互に飲むと吸収が良くなるなどはありませんね。なお、豆乳に含まれる大豆イソフラボンが女性ホルモン様作用があることから、美肌効果を期待されているようですが、何とも言えないのが現状です。現段階で、豆乳の研究結果として出ているのは、悪玉コレステロールの抑制や、更年期のホットフラッシュを軽減する効果だけです。
リプライセルより効果あり? 美肌への近道はシンプルなスキンケアに尽きる
――ビタミンCを摂りすぎることで、逆に体に良くないことなどはあるのでしょうか?
内田 余剰分は体外へ排出されるので、摂り過ぎたからといって体に不具合が起こることはありません。まれに胃部不快感、吐き気、下痢などが出ることがありますが。
――そもそも、日常の食事だけで必要なビタミンCを摂ることは難しいのでしょうか?
内田 成人男女が身体維持に必要なビタミンCは1日100㎎なのに対し、日本人が食事から摂取している平均は90㎎ほどといわれています。いちご100gで62gのビタミンCが取れるので、食生活を少し意識するだけで十分摂取できると思いますよ。ただこれは、欠乏症がおきない必要最低量なので、美肌効果を期待する場合には10倍以上必要となります。
――美肌を目指すうえで、ビタミンCの摂取よりも心がけるべきことがあれば教えてください。
内田 基本的なことですが、日焼けをしない、保湿をする、洗顔やクレンジングの際に肌を摩擦しないなど、毎日のスキンケアに尽きると思います。すごくシンプルなことですが、毎日の積み重ねで結果はかなり変わってきますよ。あと、中にはデータがないのに効果を謳っているものもあります。ウワサも含め、実証のないことに踊らされないようにすることも大切ですね。
(取材・文=千葉こころ)