カルチャー
浅見悦子氏インタビュー【後編】

渡辺直美、ブルゾンちえみ……安室奈美恵の“ギャルマインド”を継承する20代女性芸人たち

2017/10/15 17:00
『namie amuro LIVE STYLE 2016-2017』/Dimension Point

 

(前編はこちら)

■山口百恵の引退とは「似ていない」

――安室さんの私生活が及ぼした影響に関してもお聞きしたいです。安室さんは1997年にできちゃった結婚を発表し、翌98年に長男を出産しています。当時まだ20歳という若さでした。

浅見悦子氏(以下、浅見) 「いさぎがいい」という印象でした。ちょうどその頃、晩婚化が進みつつあった中、安室さんは“適齢期”というものに縛られず、「自分が今やりたいことをやる」と決断したように思いましたね。活動においても、結婚・出産後に、それまで売れていた曲とは路線変更して、ブラックカルチャー色が強めになっていったのも、彼女が「そうしたいからした」のではないかと感じるんです。

――今回の引退発表にも、通ずるものがあります。

浅見 引退すると聞いたとき、「そうきたか」と思って、ある意味驚かなかったです。「S Cawaii」で12年、デビュー20周年直前の安室さんにインタビューを行ったとき、「20年後も今のように歌っていたい?」と質問したところ、「マドンナのような方もいるので、それぐらいまでは頑張ってみます(笑)! みなさんにまだ見たいっていってもらえるのであればやるし、もう見たくないのであれば『じゃ!』って(笑)。未来はわからないですね」と答えていたんです。マドンナのように長く続ける先輩をかっこいいなぁと思いつつ、一方で、そこまでやらないかもしれないと感じている様子が伝わってきました。やっぱり「その時になったら考える」っていうスタンスなのかもしれませんね。安室さんの引退発表は、山口百恵さんの引退に似ているといわれていますが、私は違うなと感じていて、百恵さんは「結婚するから」という理由があった一方、安室にはそういった理由は特にないですよね。「今、引退したいと思ったから引退する」だったのではないかと思います。

――40歳になったという節目もあったような気がします。

浅見 40代はターニングポイントで、これからのことを考える時期というのは、とても共感しますね。20~30代、目の前のことをガムシャラにやってきて、やり切ったと思えた瞬間、考え方がガラッと変わったり、別のことがやりたくなることがあるんですよ。

 

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