『奥様は、取り扱い注意』より厳しいDVの現実! 「支配しようとする夫」に苦しんだ主婦の告白
「夫の浮気が発覚したんです。夫は『遊びだ』と言い張りましたが、問い詰めると逆切れされて、暴言を吐かれました。『誰がお前を食わせてやってると思ってるんだ』『ロクに働いたこともないお前に、子どもの面倒が見られるのか』と……。私は社会人になってすぐ結婚したので、離婚したら子どもたちを育てていけません。夫は、それをわかって言ってきました。それでも夫の女遊びは止まらず、ついに限界が来た私は、別居を申し出たのです」
夫は反対したが、それを押し切り、子どもを連れて実家に戻った。ところが、別居中も、夫からの嫌がらせは続いた。
「1日に何十回も電話してきたり、近所の住民に私や子どもの悪口を、後輩を使って吹き込ませたり、自分の手を汚さず嫌がらせをしてきました。初めは耐えていましたが、ある日、車の窓ガラスが割られていたんです。私はさらなる報復が嫌だったので、公にしたくなかったのですが、友人の口添えで警察に通報することになりました。窓ガラスを割られたことで警察は事件として動いてくれましたが、私たちは夫との接触を避けるために、DV被害者を一時的に避難させる民間シェルターへの入居を勧められました。悪いことをしていないのに、なぜ私たちが逃げなければならないのだろう……と思いましたね」
裕子さんと子どもたちは、6畳ほどのシェルターに1カ月ほど暮らした。警察沙汰になったことで嫌がらせはなくなり、その後、離婚が成立した。現在はパート勤めの傍ら、DV防止相談員になるための勉強をしているという。仕事と子育てに奮闘する日々だが、ひとつ気がかりなことがあるそうだ。
「次女だけが『パパと暮らしたい』と言いました。私も3人の子ども全員を引き取る金銭的余裕がなかったので、泣く泣く親権を譲りました。警察からは『子どもから情報が漏れて、また嫌がらせをされる恐れがあるので、引き取られた子どもと連絡を取らないでください』と言われました。今すぐにでなくても、もう少し大きくなってから会うことはできると、諭されました。DV問題が解決しても、今まで通りの生活はできず、泣き寝入りしなければならないこともあります。現実は、ドラマのように簡単にはいきませんね」
(カワノアユミ)