カルチャー
被害者の告白

『奥様は、取り扱い注意』より厳しいDVの現実! 「支配しようとする夫」に苦しんだ主婦の告白

2017/10/11 21:00

「夫は誰に対しても『自分のほうが立場が上』でありたい性格でした。会社の中でもリーダー格で、社内で問題が起きたらすぐに間に入って解決したがる、とにかく口がうまい人でした。交際中、私は常に見下されていました。『お前はラクなOLでいいよな』『俺は会社を背負う人間だから、お前みたいなしょうもない仕事とは違う』など、嫌味を言われることはしょっちゅう。腹を立てて言い返しても、私が次に言うことを見透かして、必ず言い負かしてきます。口げんかで勝てたことは一度もありません」

 夫の性格にうんざりし、別れを告げようとした時、裕子さんの妊娠が発覚した。

「妊娠も、私を逃げられなくするための夫の計算だったと思います。夫は私を自分の支配下に置こうと、入籍後はさまざまな制約を課してきました。外出時は必ず連絡を入れる、友人との交流禁止、SNS禁止、美容院やマッサージでは女性の美容師やセラピストを指名すること、夫の前以外でのスカートの着用は禁止など……。反抗すると、今度は暴力を振るうようになりました。おなかには子どもがいるので、もし流産でもしたら、私に逃げられると思ったんでしょう。平手打ちや髪の毛を引っ張るなど、おなかは避けて体に痕が残らない方法でDVが始まりました」

 肉体的にも精神的にも、裕子さんは追い詰められていった。さらに裕子さんを家に置いておくために、夫の束縛はエスカレートしてゆく。

「1人目の子育てが落ち着くと、2人目、3人目……と、次々に子どもを作らされました。しまいには、くも膜下出血で倒れた義母の面倒まで命じられ、私の自由は一切奪われました。それでも離婚しなかったのは、夫が子煩悩だったからです。夫は、子どもの前では良い父親を演じていましたから。子どもたちも父親のことが大好きでしたので、他人から見れば裕福で幸せな家族にしか見えなかったと思います」

 しかし、ついに裕子さんに離婚を決意させる事件が起きた。

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