有村架純、『ひよっこ』20%超達成! 大爆死の“月9ヒロイン”から連ドラ主演に返り咲き?
有村架純がヒロインを務めたNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』(全156話)が9月30日で終了した。全話平均は20.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、2015年後期の『あさが来た』(波瑠主演)以降、朝ドラは4作連続で大台を突破し、『ひよっこ』はノルマを達成。視聴者の間で、いまひとつパッとした評価を得られなかった、前作『べっぴんさん』(芳根京子主演)の20.3%を、わずかながら上回った。
前評判の高さを思えば、『ひよっこ』のスタートは、決して明るくはなかった。初回は19.5%で、12年後期『純と愛』(夏菜主演)以来、9作ぶりに20%割れ。週平均は第1週が19.4%で、以後、12週連続で大台に届かず。転機となったのは、ビートルズの来日を描いた第13週で、20.6%をマーク。その後、週平均は20%台をキープし続け、最終週(第26週)の第154話(同28日)では、自己最高の24.4%をマークするなど、週平均も自己最高の23.0%を記録し、有終の美を飾った。
ただ全話平均20.4%という記録は、『あさが来た』の23.5%や、16年前期の『とと姉ちゃん』(高畑充希主演)の22.8%と比べると、かなり低レベルとなってしまった。
「朝ドラの視聴率は、たぶんに視聴習慣と関係してくるようです。13年前期の能年玲奈(現・のん)主演『あまちゃん』が社会現象になるほどのヒットを飛ばし、朝ドラブームが到来。その後、全話平均19.4%で大台を割った、15年前期の『まれ』(土屋太鳳主演)を除き、高視聴率作品を連発してきました。“駄作”といわれ、終盤には完全なネタ切れ状態となっていた『べっぴんさん』でさえ、20%を超えられたのは、ブームの恩恵に与ったからといえるでしょう。逆に、前作の『べっぴんさん』が不評だったため、朝ドラを見なくなってしまった視聴者も多く、割りを食ったのが『ひよっこ』。後半での巻き返しで大台に乗せましたが、これが『とと姉ちゃん』の直後に放送されていたなら、内容や評判、キャストからして22~23%は取っていたのではないでしょうか。そういった意味で、主演の有村は損な役回りとなってしまったといえそうです。ほぼ無名の葵わかながヒロインである新作『わろてんか』が、初回20.8%と好発進できたのも、『ひよっこ』の評判が良く、お茶の間の視聴習慣ができていたからですよ」(テレビ誌関係者)
とはいえ、有村は大台突破を達成し、なんとか面目を保った。連ドラ初主演となった、昨年1月期『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系/高良健吾とのW主演)は、作品自体の評価は高かったものの、平均9.7%で1ケタ台に終わっていた。15年6月24日に放送された主演ドラマ『永遠のぼくら sea side blue』(日本テレビ系)も8.0%と低迷しただけに、『ひよっこ』で、それらの悪夢を振り払ったといってもよさそうだ。
評価を高めたことで、今後は当然連ドラ主演オファーが舞い込むと思われるが、肝心なのはここから先。波瑠は朝ドラ後、3作目の主演作『あなたのことはそれほど』(今年1月期/TBS系)で平均11.3%をマーク。高畑は7月期の『過保護のカホコ』(日本テレビ系)で平均11.5%の高視聴率を挙げて、ともに主役級女優へのランクアップに成功した。有村は、今後の主演作で結果を残して、女優としてのランクを上げたいところだろう。
(田中七男)