カルチャー
ライター・吉田潮さんインタビュー

「女性なら子どもが好き」という“刷り込み”から自由になるには?

2017/10/05 15:00

――今後、子どもを持たない女性や子どもが苦手な女性が、世間の刷り込みと付き合っていくためにはどうすればいいと思いますか?

吉田 生きづらさの原因の一つになっているのは主語が「世間」になっているからです。その主語のスイッチを「自分」に取り戻す必要があります。「結婚しなきゃダメ」「子どもを持たないとダメ」と言っているのは、自分ではなく世間や自分の親、義理の親、友達などです。

 もしかしたらワガママと言われるかもしれませんが、それは自分の権利です。私もときどき、自分の無意識な刷り込みにハッと気づくことがあります。私はメス猫を飼っているのですが、ブラッシング中に「もう、目ヤニなんかつけて、女の子なんだからきれいにしなきゃ」とポロッと言ってしまったことがあったんです。でも、「えっ、女の子だから? いや関係ない。うちの飼い猫だからきちんときれいにして目ヤニを取った方がいい」と自分の中で訂正をしました。

 このように、無意識に「男だから・女だからこうあるべき」と思って、その主語が“自分”でない場合が意外と多くあります。ほかにも、結婚をして主語が夫になっている人はたくさんいます。食事や旅行に誘った際、「ちょっと夫に聞いてみるね」と答える人がいますが、「いやいや、夫じゃなくてあなたの気持ちは?」と思うわけです。子どもの世話をどうするかを夫と考えなければならないというのもありますが、それならば「私は行きたいけど、ちょっと予定を調整してみるね」と言えばいい。「夫に聞いてみないと」となったとき、この人は主語が夫なんだなと思ってしまうのはよくありますよね。自分の主語はどこにあるんだろうと考えたとき、「ああ、私は子どもいらなかったわ」と思ったら、その主語を自分に変えればいいだけです。そうすると少し楽になるのではないかと思います。
(姫野ケイ)

吉田潮(よしだ・うしお)
ライター・コラムニスト、イラストレーター。「週刊新潮」(新潮社)で「TVふうーん録」連載中。著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『TV大人の視聴』(講談社)、『産まないことは「逃げ」ですか?』(KKベストセラーズ)など。

最終更新:2017/10/05 15:00
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