『ウチくる!?』、視聴率3%で“終了説”も……打ちきれない「ズブズブ癒着」事情
「ウチくる!?」「いくいく!」そんなやり取りも懐かしい名物番組が今、窮地に瀕している。18年続く長寿番組『ウチくる!?』(フジテレビ系)の去就をめぐって、業界内で「いよいよ危ない」と打ち切りのうわさが流れているというのだ。
「番組は1999年4月にスタート。有名人の地元(ウチ)で待ち合わせをし、ゲストの生まれ育った思い出深い町を練り歩くというものでした。最後は、ゲストの忘れられない恩人が登場し、手紙を読むという構成。そんなハートフルな内容が話題を呼んだのです」(業界関係者)
今でこそ、芸能人がプライベートや家族話を披露する番組は多いが、当時『ウチくる!?』は企画の新しさもあり、一躍人気番組となった。2003年2月、ピーターこと本名・池畑慎之介が熱海の自宅を紹介した回で、驚異の16.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録するなど、裏番組の『アッコにおまかせ!』(TBS系)と並んで、日曜お昼のお茶の間を楽しませてきた。
そんな『ウチくる!?』だが、現在の視聴率はというと、9月24日放送回は3.9%。この回は俳優で歌手の中村雅俊がゲストで、彼にあこがれる寺脇康文や高橋克実が登場し、「恋人も濡れる街角」といった中村の過去のヒット曲を3人で歌い合うなど、それなりに豪華な内容だったが、数字は振るわなかった。
「3%台を出したのは、この回だけではありません。8月20日(ゲスト・加藤一二三)、7月16日(ゲスト・吉田栄作、平野ノラ)は3.7%、6月18日(ゲスト・熊谷真実&松本明子)と6月4日(芸能リポーター大集合)は3.9%、4月30日(ゲスト・升毅)は3.6%といった調子です。3%台が、むしろ当たり前の状況となっています」(同)
こうした低迷の原因について、考えられることはあるのだろうか。回答をくれたのは在京のテレビスタッフ。
「09年から始まった内村光良司会の『スクール革命!』(日本テレビ系)が視聴者を食っているのでしょう。スタート当初は苦戦していましたが、内村とレギュラーメンバーとのテンポの良いやり取りや、Hey!Say!JUMPメンバーの意外な大喜利センスなどが発掘され、高視聴率に。9月24日放送は、『アッコにおまかせ』6.9%のところ、『スク革』は6.8とその差0.1%。この時間、高齢者は『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)を見ています。『ウチくる!?』はどの層も刺さらず、一人負けなのです」
だが、同番組はある特殊な事情で作られており、「リニューアルはあれど打ち切りはまずない」と反論するのが別の業界関係者だ。
「この枠は76年から渡辺プロダクションが制作し、現在は芸能プロ部門として分社化したワタナベエンターテインメントが引き継いでいる伝統の『事務所枠』なのです。かつては『クイズ・ドレミファドン!』もこの時間帯に放送されていました。『ウチくる!?』のプロデューサーやディレクターもほぼワタナベエンタ、もしくは関連の制作会社から出向しているスタッフばかりです」
40年以上続くフジテレビとナベプロとの蜜月関係。さらにそれが強固になったのが、『笑う犬シリーズ』などを手掛けたフジの敏腕プロデューサーと、ワタナベエンタの女社長の結婚だった。
「局のPと、芸能事務所の代表との結婚は当時大いに話題を呼びました。そのPはフジを退職後、ワタナベエンタの会長職に就任。これによってワタナベとフジの結びつきはさらに固いものとなった。つまりこの2人が万が一でも離婚しない限り、ワタナベエンタ制作の『ウチくる!?』が終わることは考えられないのです」(同・関係者)
それにしても、先の中村雅俊もこの番組4回目の出演だという。マンネリが続くようなら、せめて中山秀征だけ残してでも番組は一区切りつけた方が良いような気もするが……。