子どもが「パパ、もうやめて」――復縁するも、夫の暴力は止まらず【別れた夫にわが子を会わせる?】
――復縁後の生活は、どうだったのですか?
「申し上げたように彼はきちょうめんで真面目でした。一緒にいたらいたで楽しい。はじめの半年間ほどは穏やかに過ごしていました。だけど、また3カ月に1回ほどの暴力が始まりました。壁を蹴って穴を開けたり、私を殴ったりと、爆発するんです。しかも、夜の営みもほぼ強制的で、避妊もなかった。それで、もう1人デキちゃったんです。また女の子でした。カウンセラーのアドバイスを聞かずに復縁をした手前、仲良くやっている素振りを見せるしかありませんでした。
上の子のときと違ったのは、育児に熱心でなかったということ。長女のときは夜通しミルクをあげてくれたのに、下の子のときは『夜泣きするから寝られない』と言って、カッとするだけでした」
――再び別居に至ったのは、なぜでしょうか?
「下の子が1歳ぐらいになったときに、彼が殴りかかってきたんです。子どもに危害が及んだら大変だと思って、下の子にとっさに覆いかぶさって、背中を殴られ続けたんです。すると上の子が『パパ、もうやめて』って言いながら私に覆いかぶさって、私を守ってくれたんです……」
そこまで言ったところで田中さんは、それまでこらえていた涙が、両方の目からあふれ出し、「ご、ごめんなさい」と言ってハンカチで目を押さえた。
――上の子は大丈夫だったんですか?
「上の子に手が出る前に、彼は手を止めました。暴力がやんで、ほっとしました。だけど、私、そのとき悟ったんです。『もうダメだな』って。『もう離婚しよう』って。それでまた家を出て行ってもらいました」
以来、田中さんは子どもたち2人と暮らしている。住んでいるところは、独身時代から住み続けているマンションだ。彼には週1回のペースで子どもに会わせている。復縁は、もはや考えていない。