「65歳のじいさんと張り合ってしまう」プウ美ねえさんと考える、職場でムキにならない方法
家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。
【今回のお悩み】
「相手を心底憎んでしまいます」
いつも誰かと張り合ってしまいます。学生時代は友人と、社会人になってからは大体職場の同僚とです。今はアルバイトの65歳のじいさんと、どちらが職場で必要とされているかで、メラメラ闘志を燃やしてしまいます(私は正社員です)。バカバカしいと思いながらもつい張り合ってしまい、相手を心底憎んでしまいます。それも一方的に。これをやめるには、どう気持ちを切り替えればいいでしょうか? プウ美ねえさん、ご教示ください!(よっしーさん、44歳)
【プウ美ねえさんの回答】
お気持ちわかります。おねえさんも、よく、ムキになります。小物のくせにすこしでも自分を大きくみせたくて、いつも必死です。闘志というものはうんと優れた目標にたいして燃やせば自分をたかめる材料になるのに、同レベルや、経験の浅い相手にムキになってしまうことも、不思議とよくあることです。ランキングをあげたかったら、友人や同僚ていどではなく、社長クラスに戦いをいどみましょう(責任は、もちません)。
どんな集団であっても、身内で不必要な小ぜりあいをする人は、あまりありがたくないものです。とくに会社では、同僚や部下をリラックスさせ、働くことを好きにさせる、そういう人が重んじられるのではないでしょうか。ですからあなたも、失礼ながら、社内での意地の張り合いなんかで勝てなくても、ぜんぜん恥じなくてよいのです。他人を打ち負かさなくても、あなたはこんなコラムに投稿するくらい気持ちに余裕のある大きな人です。自分の仕事に全力投球できたからよし、めしがうまくてよし、録画したテレビがおもしろかったからよし、快便でよし、というように、毎日ちいさなことで満足するように心がければストレスもたまらず、しぜんと、おおらかになれます。
もしも瞬間的に闘志に火がついてしまったときは、いちど意識を離れた場所にとばして、自分たちを舞台上の役者のように見てごらんなさい。どういう態度をとれば職場で必要とされるにふさわしいか、おのずとわかります。いちど意識をとばして冷静さを保つことができたなら、もう一段さきの「相手の気持ちを想像する」こともむずかしくありません。集団の中でこれができる人は最強です。
【今月のエプロンメモ】
そのじいさんも、20歳年長の経験を自負しているかもしれません。じいさんを競争相手ではなく、おなじ職場の戦力として認め、仲間として引き立てあうことができたなら、あなたは20年ぶんの経験値を先取りできるかもしれませんよ。ぜひチャンスをいかしてください。
熊田プウ助(くまだ・ぷうすけ)
1969年生まれ、ゲイ漫画家。都内でひっそりと飼い猫と暮らす日々を描いたエッセイマンガ『本日もおひとりホモ。中年マンガ家生活』(ぶんか社)、『世界一周ホモのたび 狂』(同)、『TOKYO中年駄ホモ生活』(同)など。
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