カルチャー
予想外の展開

『黒革の手帖』のリアル元子!? “ホームレス”からナンバー1キャバ嬢へ成り上がった女の意外な夢

2017/09/14 21:30

 現在は比較的大手のキャバクラに移ったリサさん。移籍してほどなくナンバー1になったリサさんは、約3年たった今でも、その座をキープしている。

「前の店からお客さんをほぼ全員連れてきたので、売上は安定しています。あまり目立つと、前の店同様、トラブルになりかねないので、うまく調整しているんです。こちらの店へ移るまでの休暇期間に、お客さんのほうから裏引き(客から直で現金をもらうこと)を提案してくれたので、今も毎月数十万から100万円ほど援助してもらいながら、たまに店に来てもらってます。マンションを買ってくれるという話もたまにありますが、愛人とか枕営業とかはしたくないので断わりました。あくまでお互い楽しく飲めるのがスタンスです」

 ちなみに今までもらったプレゼントで一番高かったものは、フランク・ミュラーのカサブランカ(推定100万円)という。そんなリサさんに将来の夢を聞いてみた。

「ずっと夜の仕事を続けていきたいとか、自分の店を持ってママになりたいとかは思いません。なるべく早く上がって、昼の仕事に就きたいですね。今、税理士の資格を取るために専門学校へ通っています。やっぱりこの仕事を通して、夜の嫌な部分がいっぱい見えてしまったからかな」

 リサさんが、そう話すのには理由がある。

「今の店に入ってしばらくした時に、仲の良かった子が店を辞めたんです。その後、その子に税務署から数百万円の請求が来たと聞きました。どうやら、店側と揉めて辞めた子の給料明細を、店が税金対策のために税務署に提出していたそうです。結局、私が知り合いの税理士を紹介して、うまく収まりました。私が裏引きを始めたのはこういう理由もあるのですが、キャバ嬢にとって税金対策は切っても切れない悩みです。通常、キャバクラで働いている人は、店から10%の所得税を引かれます。そこから、キャバクラが本職の人は稼ぎをうまく確定申告して、なるべく税金を取られないようにします。しかし中には、税金に詳しくないキャバ嬢を利用し所得税を多く取って、残りを着服する悪質な店もあります。また、昼間働いている『掛け持ちキャバ嬢』に対して、面接時にマイナンバーを記載した身分証を提出させ、所得税の名目のまま法外な金額を取る店もあるそうです。そういう相談をよく受けていて、話を聞いてあげるのも好きなので、そのような悩みを聞いてあげたくて、税理士を目指そうと思いました」

 何気なくキャバクラに入り、その後、ホームレス経験をしてナンバー1になったリサさん。彼女は今、水商売について何を思うのだろうか?

「サクッと稼いで辞めるのが一番いいと思います。お客さんにお金使わせることに罪悪感を抱いて辞めていく、心がきれいな女の子も中にはいますけど、お客さんはいつか切れてゆくものです。キャバクラにはまってお金を使う人は、結局どこへ行っても使います。罪悪感は持たずに、お金をもらって夢をたくさん与えてあげましょう」
(カワノアユミ)

最終更新:2017/09/14 21:30
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