女子校出身者をディスりまくる、「non・no」恋愛あるある企画の意図とは?
続いてチェックするのは「1女・菜々花の大学後期はコスパで大人見え着回し20days」。ちなみに、念のため解説すると「1女」とは「大学1年生」のことです。ここでも「『いかにも1女』な量産型ガーリーは前期で卒業!」というキャッチの通り、“皆と同じが安心だけど、明らかに同じに見えてしまうのもダサい”イマドキ女子大生ファッションの真髄が表れています。「ビジュー衿つきトップス」や「花柄・ミニ丈・リボンつき」のワンピースなど、ただ甘いだけのガーリーアイテムはNGだそうです。
この着まわし企画は、1女の菜々花が、キャンパスですれ違いざまに「今年の秋は断然くすみピンク」という情報を教えてくれた優華先輩(何のコミュニティの先輩かは謎)をオシャレのお手本に、「大人ガーリー」を目指すという内容。最初は、「後期は勉強も頑張りたい!黒でまとめてまじめで賢そうな女の子に」と宣言していたものの、その後は「今日は授業がお昼まで。気になっていたお店でカフェモカをテイクアウト♪」「今日はショッピング♪憧れのお店ものぞいちゃおうかな」「今日は話題のパン屋さんへ。サンドイッチにしてインスタにアップしよ(はぁと)」と放課後を満喫しつつ、合間に「テニスサークル」と「バイト」に明け暮れる日々……。そして秋の連休には「仲間と小旅行」へ。「最近、授業も楽しくていい感じ。差し色の赤トップスで勉強のやる気もアップ!」と言っていますが、一体いつ勉強しているのかわからないほど遊び呆けていました。まあ、文系の女子大学生の日常なんてこんなものですよね。
一方、オシャレ面では、アクティブな活動が多く、パンツスタイルになりがちだった菜々花が、女のコらしさと大人見せを意識したスタイルをマスターし、友達から「菜々花、最近可愛い(はぁと)」と褒められるまでにレベルアップ。小旅行のメンバーには男の子もいたため、「男子モテ」も意識しているのですが、菜々花の関心は、それより「同級生モテ」や「先輩モテ」にあるようでした。「話がある」という男の子からの呼び出しよりも、女友達に「そのバッグマネしたい(はぁと)」と言われたときの方が、目に見えてテンションが上がっています。
そして、この着まわし企画は、優華先輩と「姉妹みたい♪」と言われるほど仲良くなるというエンディングを迎えるのですが……なんだろう、この、可愛い女の子たちが仲間内でただひらすらにイチャイチャしてる感じ。嫉妬とかモテとか目立ちたいとか、そういったリアルなドロドロ要素が一切感じられない平和な女子校ユートピア。あまりにリアリティがないけれど、どこかで既視感があるような……。
そう、これって乃木坂の世界観なのではないでしょうか。秋元康が乃木坂を通して表現する、“理想の私立女子高校”的なイメージに直結しているような気がするんです。特に、表紙に起用された西野は、乃木坂の中でも優等生的なイメージが強い。もしもノンノ編集部が、こんなオッサンのような価値観を理想の女子大生像として提唱しているのなら、あまりにも前時代的すぎるのではないでしょうか。