コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

Mattの傲慢な態度に見る、“怒らない、責めない親”桑田真澄の問題点

2017/08/24 21:00

 傲慢は、違う形でMattの中にも根をおろしている。8月23日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演したMattは、司会のフットボールアワー・後藤輝基に対して、タメ口で肌を「汚い」呼ばわりし、嵐・櫻井翔の手に無断で触れていた(ほかのゲストは、きちんと触れていいか確認してから触っている)和やかな雰囲気で番組は進行していくが、共演者は大先輩であり、友達ではない。このほかにもMattは、頬杖をついて話すなど、上下関係をわきまえていないように見えた。これらは「怒られたことがない人」「否定されたことがない人」の特徴なのではないか。

 子育てのゴールが何たるかは人によっていろいろ意見があるだろうが、健康で自分で食べていける人間なら、とりあえずOKと言えるだろう。だとしたら、繰り返されるダメ出しや、経済的圧迫(自分の気に入らないことをすると、学費を払わないと脅す など)により、「誰にも頼れない」という危機意識を持つであろう毒母育ちは、ある意味、自立のチャンスをプレゼントされているとも言える。

 逆にMattのように否定されないで育つと、「自分には足りないところがある」ということがわからず、当然努力もできない。困ったことがあると、親の背後に隠れてしまうので、自立のきっかけもつかめない。Mattであれば、一生食べていくのに困らないから問題ないだろうが、一般人だと厳しいだろう。

 親子関係は、他人が口を出すべき問題ではないが、とりあえず言えるのは、Mattをはじめとする二世タレントは、親の健康維持を最優先課題とすること。二世タレントは、親が生きているからこそ、価値があるのだから。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

最終更新:2017/08/24 21:32
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