上原多香子、遺族への“慰謝料”は来月時効……逆に“名誉毀損”で200万円請求可能!?
8月10日発売の「女性セブン」(小学館)で、ヒップホップグループ・ET-KINGのTENNさんが2014年に自死した当時、妻の上原多香子(SPEED)が俳優・阿部力と不倫関係にあったと報じられた。
「セブン」には、TENNさんの実弟が公表したTENNさんの遺書と、上原が不倫相手の阿部とかわした恋愛感情満載のLINEの内容、上原と阿部の親密さをうかがわせる写真が掲載された。上原の不倫は、家族からしてみれば許されない行為だが、TENNさんが亡くなって3年たってから、遺書やLINE等を公開する行為は、上原に対する名誉毀損にならないのだろうか? また、遺族側がTENNさんの代わりに上原の不貞行為について、慰謝料を請求することは可能なのだろうか? 弁護士に話を聞いた。
まず、アディーレ法律事務所の吉岡一誠弁護士は、次のように説明する。
「『セブン』の記事の内容は、全体として上原多香子さんが不倫をしたかのように受け取られる記載になっており、これにより上原さんの社会的評価が低下しうると考えられるので、名誉棄損に該当する可能性があります。また、公表された写真やLINEの内容は、上原さんにとって、公にされたくない私生活の事柄であると考えられるので、プライバシー侵害にも該当する可能性があります」
名誉棄損やプライバシー侵害と認められた場合、上原の精神的苦痛に対する慰謝料額は、数十万~数百万円程度であるという。
「基本的には、名誉棄損またはプライバシー侵害行為の主体は、記事を作成した出版社であり、賠償責任を負うのは出版社になりますが、TENNさんの実弟が提供した遺書や写真、LINEの内容がそのまま掲載されていますし、記事の内容についても了承しているものと考えられるので、TENNさんの実弟も同様に賠償責任を負うことになるでしょう。
なお、出版社やTENNさんの実弟としては、名誉棄損について、(1)公共の利害に関する事実であること、(2)公益目的であること、(3)真実であること、または真実であると信じたことについて確実な資料・根拠に基づいていると立証することで、責任を免れることが可能であり、プライバシー侵害についても、公表に正当な理由があることなどを立証することで、責任を免れる余地があります」