“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第377回】

上原多香子はスルー、宮迫博之は許される――ワイドショーによる不倫報道の不公平

2017/08/15 21:00
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「女性セブン」8月24日・31日合併号(小学館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 菊川怜の『とくダネ!』(フジテレビ系)キャスター降板が発表された。結婚を番組で発表したにもかかわらず、その後、夫の隠し子スキャンダルに対して“情報番組のキャスター”として対応できたとはいえない菊川。その後も番組で他著名人などの結婚ネタが話題になるたび、気まずい雰囲気を醸し出していた。降板もいたしかたないか。

第377回(8/10~15発売号より)
1位「上原多香子 『致命的な破倫の果てに』」(「女性セブン」8月24・31日合併号)
2位「斉藤由貴も!? 不倫脳ってあるんだぁ」(「女性セブン」8月24・31日合併号)
3位「宮沢りえ 森田剛 ついに隣の家で“夫婦”生活スタート」(「女性セブン」8月24・31日合併号)
※「女性自身」「週刊女性」は合併号休み

 不倫、不倫、不倫、である。今井絵理子、斉藤由貴、宮迫博之、田中哲司、渡辺謙————。

 そんな中、またしも衝撃の不倫劇が。それは「女性セブン」がスクープした上原多香子の不倫だ。しかも今回のケースは通常とは事情がかなり異なる。上原の夫は2014年に自死しているからだ。しかも、この自殺の原因が妻である上原の不倫にあると疑われ、その証拠となる遺書も存在する。それを夫だったTENNさんの実弟が告発。しかもTENNさんは“子どもが望めない”事情があり、しかし上原は、浮気相手とLINEで子どもを望む会話をしていた。かなり深刻だ。


 すでにネットでは上原に対するバッシングが展開されているが、それはあいも変わらず“女性が浮気した”ことに対する男たちの怒りで満ちあふれたもの。しかし、自死の原因は妻の裏切りだけだったのか。実弟など遺族の怒りはもっともだが、それ以外にも複雑でいろんな事情があったのではないか。赤の他人が自分たちのことは棚に上げ、“女の浮気は許さない!”と気勢を上げるのは醜悪でしかない。はぁ〜。

 だが、この上原報道に対し、不倫大好きなはずの芸能マスコミ、特にワイドショーはほとんどスルーしている。上原が強面芸能プロ・ライジング所属という面もあるだろう。また、「自殺」という深刻でナーバスな問題に踏み込まざるを得ないから腰が引けた面もあるだろう。現在の情報番組、ワイドショーのコメンテーターは芸人だらけで、ポロリと不謹慎なことでも言われたら大変だ、という制作側の危惧もあったのかもしれない。

 だが、そう考えると数多ある不倫騒動と今回の報道の落差は、あまりにも激しいし、不公平だ。矢口真里、ベッキーはいじり放題、罵倒し放題で芸能界休業にまで追いやった。しかし、今話題の宮迫は堂々と『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)に出演する予定だ。どうやらマスコミ的、いや世間的に、不倫が“許される人”と“許されない人”がいるようだ。いや、もう1つ“なかったこと”になるケースも。

 “許されない人”の多くが弱小事務所の主に女性だ。そして“許される人”はレポーターたちを煙に巻き、キャラ的にも糾弾されない大御所おじさまなど。また“なかったこと”になるのは、ジャニーズやバーニングを筆頭とした“マスコミタブー事務所”に所属している大物タレントやアイドル。さらに宮迫不倫で判明したが、ワイドショーコメンテーターのお仲間も“許される人”に入るらしい。

 時に「許さない!」と怒り、時に「夫婦の問題だから」と理解を示す。ダブルやトリプルなスタンダードが存在するのがワイドショーの不倫報道だ。しかもワイドショーが芸人だらけになって、その不公平感は、さらに広がったと思う。仲間を守る、そしてタブーには決して触れない(自分たちや所属事務所がタブーだったりもするし)。だからと言って政治風刺もしないし、社会的話題、ニュースをまともに斬ることもできない。はぁ〜〜。


 そんな芸能マスコミ不倫事情だが、「セブン」には、もう1つ不倫記事が。それが“不倫脳”についての特集。キャーー!! 何それ!?

 記事によると不倫は1度すると繰り返すもので、そういった人は「不倫脳」を持っているらしい。その“脳”は2つの特徴があり、その1つは「喜びや悲しみ、怒りなどの感情を形成する『大脳辺縁系』が活発な一方で、感情や性欲を抑える脳内物質『セロトニン』の分泌が少ない」こと。もう1つは「脳の中枢部分の『側坐核』」から出るドーパミンに関係するらしい。

 セロトニンが少ないと理性で感情が抑えられず、いろんな人と恋に落ちやすい。また不倫というリスクと興味を同時に感じると「側坐核」から快楽をもたらすドーパミンが出る。だから「不倫脳」を持った人は不倫をやめられない――。

 すごいな、脳。すごいな「セブン」。本当か!? しかも脳は成人するとほとんど変化しない。つまり、「不倫脳」を持った人は不倫を繰り返すということ。ってことは、不倫はあくまで “脳”のせいで、倫理観とか道徳意識とか関係なく、自分の社会的立場や周囲の影響などを考慮できないのも、当たり前ってことか。

 ぜひ、この“不倫脳”問題をワイドショーで議論してほしい。

 宮沢りえとV6森田剛が順調な交際ぶりを見せているらしい。隠す様子もなくデートを繰り返し、路上ハグも。さらに森田はりえの自宅の“目と鼻の先”のマンションにお引越し。2人の交際はジャニーズ事務所も黙認(もしくは宮沢が大物なので歓迎とさえ伝えられる)らしいし、このまま大人の関係はしばらく続くんだろうな。森田が入籍にこだわらなければ、だが。

最終更新:2017/08/15 21:00
自死は,向き合える――遺族を支える,社会で防ぐ (岩波ブックレット)
「あったものをなかったことにはできない」