『黒革の手帖』のような“成り上がり”! 16歳から水商売、歌舞伎町で稼いだ「億の金」の行方は……?
武井咲演じる原口元子が、借金返済のために銀座のホステスとしてのし上がってゆくドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日系)。派遣先の銀行から横領した1億8,000万円をもとに、銀座にクラブ「カルネ」をオープン。今日放送の第5話では、元子が銀座のクラブの最高峰「ルダン」を手に入れるため、オーナーである政財界のフィクサー・長谷川庄治(伊東四朗)と交渉するという展開だった。
■母子家庭で貧しく、16歳で水商売の世界へ
実際に、ドラマのように貧しかった家庭から、トップホステスにのし上がった女性がいる。その人の名は舞さん(仮名・34歳)、和服が似合いそうな、キリッとした美人だ。幼い頃から母子家庭だった舞さんの家は、決して裕福ではなかったと話す。
「地元が神戸で、周りは裕福な家庭が多かったです。中学の同級生は高校から私立へ行き、ブランド物のバッグを持つのが当たり前。私はお小遣いももらえず、家での食事もウインナーと玉子焼きだけなど、質素なものでした」
家に借金はなかったものの、舞さんの高校の学費を払うだけで手一杯だった。家計の助けと自身のお小遣いほしさに、舞さんが水商売の世界に入ったのは16歳のときだ。
「最初に働いたのは、時給1,800円の地元のスナックでした。私の年齢を知っているのはママだけで、お客さんには18歳と言ってました」
舞さんは昼は学校、夜はスナックという生活を続けた。お酒も強く、毎日のように出勤。すぐに店にも慣れ、次第に学校へ行かなくなっていた。高校を中退した舞さんはキャバクラへ移り、18歳になると大阪・北新地の高級クラブに入店。そこでの日当は4万円で、当時の界隈ではトップクラスだったという。
「北新地のお客さんはレベルが違いました。見たことないような額のボトルや、キャバクラとは全く違う会話に初めは戸惑いました。会話の内容は難しくてついていけなくても、せめて言葉遣いだけは品良く話すよう努力しました。若いうちにクラブで働いて、水商売の最低限のマナーを身につけられたことは、貴重な経験ですね」