養子を迎え、育児に協力的だった夫が単身赴任で浮気【別れた夫にわが子を会わせる?】
浮気のことが、息子さんの耳に入ったりはしなかったのか?
「息子が小学5年のとき、仕事を終えて帰ってきた私に、不思議なことを言うんです。『うちにも犬がいるけど、パパは違うところにも犬を飼ってるんだね』って。写真を撮ろうとして、夫の携帯電話をいじっているうちに、知らない犬小屋に入った知らない犬の写真を見てしまったそうなんです。写真は、女の家の飼い犬だったんでしょう。それでつまり、夫は向こうに家を構えてるってことがわかってしまい……」
――息子さんは、浮気の証拠を偶然見てしまったんですね。なんとふびんな。
「それどころか、夫は息子にひどい仕打ちをしていたんです。私が気づいてあげればよかったんですが、当時は気がつかなかった……」
気がついたきっかけは、中学校に上がるときに行った机の掃除だったという。
「引き出しがあまりに汚いので、中のモノを全部出させたんです。一番奥に入っていたのが、小学1年のときに私が買い与えたファインディング・ニモのメモ帳でした。
そこには『パパのバカ』とか『パパがぼくの耳をいたくしたとか』『あんなやつ死ね』『だいきらい』といった言葉が殴り書きしてあった。SOSを出していたかもしれないのに、なんで気がついてあげられなかったのか。後悔の念で涙が止まらなくなりました……。
そういえば、息子が小学校高学年の頃、耳の上の角のところが紫色に変色していたんですよ。治る暇なく、常にです。それで『どうしたの?』って聞いたら『ミニバスケやっててけがした』って言ってたんです。『痛くない』っていう言葉をうのみにしてたし、深刻に捉えてなかった……」
夫は息子への関心を失っていたのか、休日に帰ってきて近くへ息子と出掛けても、息子を残して、よくふらっと消えたという。
「息子は傷つきますよね。そうしたことが積み重なっていったからか、中学に入る頃、『僕はパパにとって大事ではないんだ。僕はパパがいない子だ』って言うようになりました」
――パパがいない? 血のつながった実の父親の存在に気がついていたからこその発言ではないのですか?
「いや、それはないです。知らないですから。パパとママの子じゃないかもって思って調べたとしても、証拠は出てこないはず。生後10日目で引き取ってから、ずっと一緒なんです。彼は、私を本当のお母さんだと思ってるに違いないです」