志尊淳の「寝顔」が、酒井若菜&緒川たまきの熱演を食った『下北沢ダイハード』
テレビ東京系の深夜で、同局ならではの試みのドラマが放送されている。演劇の聖地・下北沢の小劇場で活躍する人気脚本家が、下北沢で起きた「人生最悪の一日」をテーマに書き下ろす、1話完結型シチュエーションコメディドラマ『下北沢ダイハード』だ。その第4話が8月11日に放送された。
第4話「夜逃げする女」はアラフォー女2人が殺人を犯し、下北沢から逃避行しようとする話。と言ってもコメディなので、当事者には深刻でも全体的にゆるいテイストに仕上がっている。
下北沢で小さな古着屋を営む2人の女性。須田類(緒川たまき)のもとに、共同経営者の椎名照美(酒井若菜)の彼氏である原田利夫(山西惇)が、貸した300万円を返せと乗り込んでくる。必ずお金は返すと懇願するが、原田は聞く耳を持たずらちがあかない。試着室に隠れていた照美が出てくると、原田は、返せないなら結婚して下北沢を出ようと婚姻届を突きつける。「ごめんなさい」と謝り続ける照美を、無理やり連れ出そうとする原田。そばで見ていた類は思わず、原田の頭を売り物のブーツで何度も殴り、頭から血を流した原田は動かなくなってしまう。
原田を箱に詰めた2人は、夜逃げを決意。知り合いの若手俳優・深大寺(志尊淳)に連絡し、車で駆けつけてもらう。何も知らない深大寺は、段ボールを運び出すのを明るく手伝うが、車に乗せるときにバランスを崩し、原田が箱から転げ出てしまう。“死体”を深大寺に見られた2人は、その場から逃げ出し、逃避行を決意する。
しかし、訳あって立ち寄った馴染みのバーに制服姿の警官が現れ、さらには深大寺が血を流したままの原田をおぶって登場。騒然とするバーの面々の隙をついて2人は逃げ出す。下北沢で共に過ごした20年間を振り返りながら歩く2人は、お互いの別々の道を歩んでいく決意をする。
事件からしばらくたち、変わらずあの古着屋にいる照美だが、おなかには原田との新しい生命が。そして店には、類からの知らせが飾られていた。類は、下北沢からたった2つ隣の駅「代々木上原」に転居した、というオチだ。