「オタ仲間の義理と人情」「接触はジャニオタのウチワと同じ」ドルオタ夫婦2組の異色対談
――ジャニーズもグループによっては接触イベントありですが、太田さん田幸さんは全ジャニーズの現場で接触が解禁になったらどうですか?
田幸 私は接触を望まないですね。ひたすら外から愛でていたいというか……例えばKinKi Kidsとかは、あの2人だけで完成してる世界で、とても孤高な感じが美しいから、そこにほかの人は入らないでほしいという気持ちがあるので。
太田 僕は同性なんで、会ってときめくとかないから。ライブでトロッコが近くを通っても、手振ったり歓声あげたりしないもんね(笑)。結局、ジャニーさんの作る世界が好きなんだと思うんですよね。すごくよくできたエンターテインメントなんだけど、ちょっと笑える、みたいなものを見せてくれるのが好きなんだろうなと。
田幸 さっきも言ったんですけど、ハロプロでもこぶしファクトリーなんかのイベントには歌を聞きに行ったりするんですよ。でも、行くと握手会がついてきて、どんなことをしたらいいのか、わからなかったりもします。
――藍さんとヲタ夫さんは、もし女性アイドルとの接触がなかったらどうだったと思います?
ヲタ夫 うーん、接触がなくても好きにはなったと思うんですよね。BiSはCDを聞いて、曲がいいなと思って通い始めたのが出発点だったので。
藍 その割には、たいそう接触イベント行ってるよね? チェキを撮るときハグまでして。
ヲタ夫 うふふ。接触イベントでは多少会話するので、なんとなく、本人のことがわかったような気になってくるんだと思うんですけど……ただ接触はそんなに重要じゃないんですよ、自分にとっては。ライブが楽しかったとかそういうのが伝えられればそれで。
田幸 ジャニヲタのうちわでも「バーンして」とかいう要求派と、「ありがとう」などの感想だとかメッセージを伝えたい派がいますけど、後者ということですよね。
オタ仲間の義理と人情の世界に疲れてUターン
――藍さんは接触がなかった時代のハロプロから女性アイドルに入って、今はライブアイドルがメインなんですよね。
藍 私は最初にAKB48に興味を持ったとき、劇場に行くまですごい抵抗があったんですよ。でも、間近で見て彼女たちが真面目にやってるんだというのがわかったし、行き始めると自分の意識も変わっていったんですよね。当時のAKBはみんなファン対応がうまかったから、こちらもこういうふうに楽しめばいいんだっていう接触の楽しみ方を覚えました。ライブアイドルの現場はまた違って、文化祭ノリというか……年齢も職業もまったく違う男性のファンが大半なんですけど、同じグループや同じ推しのファンの間には妙な連帯感がありますね。
ヲタ夫 ライブアイドルはファンの人数も少ないから、話したことはなくても、だいたい皆顔はわかるんですよ。
田幸 「このチームから抜けちゃマズい」みたいな、義理と人情の世界にはならないですか?
藍 それはすごくあって、そういう関係性に疲れた人が、今度はハロプロ系やももクロとか、大手のグループに移って、距離感のちょうどいい場所に流れていく逆現象が起こっていますね。
ヲタ夫 あとは、接触でしゃべってる間に言い合いみたいになって、メンバーと関係がよくなくなって来づらくなる人とか。
太田 ああ、ダメ出ししちゃう人とかいますよね。
藍 ジャニコンにもたまに行くんですけど、“お客さま”でいられるのがいいなと思います。彼女気分でいさせてくれるっていうか。