O・J・シンプソン、「オナニーを看守に見つかったからNG」の怪情報乗り越え仮釈放へ
O・Jは、裁判中にも刑務所で大金を稼いでいた。「有罪が確定するまでは無罪と推定される」ため自由に金を稼ぐことができ、有名人のサイン蒐集家にお宝グッズを販売するディーラーと契約を結んで、さまざまなグッズにサインして300万ドル(約3億3500万円)近い荒稼ぎをしていたのだ。だがその後O・Jは、このディーラーらが「自分の私物を持っている」と疑い、取り巻きたちに相談を持ちかける。友人の結婚式に参列するため訪問していたラスベガスに、偶然このディーラーも滞在していることを知り、取り巻きと共にホテルの部屋に押しかけた。取り巻きの中には拳銃をちらつかせる者もおり、彼らはO・Jのものではないグッズまで奪い部屋を出た。O・J自身はその場にいて、ディーラーを怒鳴りつけていただけだが、強盗として逮捕・起訴。合わせて禁錮33年の刑に処され、「あまりにも量刑が重い。殺人事件で無罪になったことに対する復讐だ」とうわさされた。
シンプソン自身も「納得できない」と裁判のやり直しを求めていたが、にっちもさっちもいかず。そして今年、仮出所が申請できる収監9年目を迎えた。
仮出所申請はアメリカ現地時間7月20日に行われたのだが、直前に「仮出所は認められない可能性が高い。なぜなら、独房でマスターベーションしているところ女性看守に見つかってしまったから!」というびっくりな情報が流れた。
英大手タブロイド紙「デイリー・メール」電子版は19日、「O・Jが収監されているネバダ州の刑務所の独房で、マスターベーションをしているのを女性看守が目撃。仮出所は認められないかもしれない」という見出しの記事を掲載。
刑務所の情報筋からの話として「6月の終わりに、見回りをしていた女性看守が、O・Jが独房でシコシコしてる現場を目撃。刑務所ではさほど問題視されることではないが、仮出所申請には影響を与えるだろう」と伝え、「O・Jも、マスターベーションしている現場を押さえられるまでは仮出所は確実だと楽しみにしていたのに」と同情するコメントを紹介した。
実は18日にも、米「USA トゥデイ」が、ネバダ刑務所の元看守からの情報として「O・Jが収監されて間もない頃、食事担当をしていた囚人がクッキーを盗み、O・Jの入っているユニットに振る舞った。ほかの囚人は隠れて食べていたのに、O・Jは堂々とむしゃむしゃ食べ、看守に見つかってしまった。『どこで手に入れたのか』と質問され、問われたO・Jは『食事担当の囚人からだよ』と悪びれることなく答えてしまい、問題となった」「真面目な看守は報告書を作成したが、O・Jから『そんなもの書かれたら最短で仮出所できなくなる』と頼み込まれ、結局、報告書は破棄された」というハプニングがあったことを報道。ネット上では、「クッキーは見逃してもらったが、マスターベーションは見逃してもらえなかったか」「つくづくアホな奴」だと呆れ返る声が上がった。
だが、この報道の直後、米大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」が、O・Jが収監されている刑務所の公式声明として「囚人の懲戒に関する情報を公にすることは、規則により禁じられている。誤った情報をリリースすることも固く禁じられている。問題になっている情報を、関係者が漏らすことは絶対にありえない」と報道。さらに「TMZ」は、情報筋の話として「刑務所でマスターベーションしても、ほかの人を巻き込まなければ罰せられることはない」と伝えた。
こうして20日の仮出所申請日を迎えたO・Jは、70歳とは思えぬほど肌つやの良い元気な姿でカメラの前に登場。申請はビデオカメラを通して行われたのだが「(くだんのディーラーが)自分の家族のプライベート写真までも持っていると知り、取り戻しに行ったんです」「自分は公の場で喧嘩をしたこともないし、問題を起こしたことはない」と主張。仮出所が認められたら、どこに住むつもりかと聞かれた時には、「ネバダにずっと居ることもできますけど、皆さん、私にいてほしくないでしょう?」とジョークを言うなど、人気者だった頃のチャーミングなO・Jの表情をのぞかせる場面もあった。
そして、「ここに入り、9年間。問題を起こさず文句も言わずに服役してきた」「家族や友人たちの元に帰りたいだけなんです」という訴えがネバダ州仮釈放委員会の委員4人全員に認められ、仮出所することが無事決定した。
「TMZ」によると、O・Jは仮出所中でも「血中アルコール濃度(BAC)0.08以下」であれば酒を飲むことが可能。処方された医療用マリファナを吸うこともOKで、「既決重罪犯とは交流しないこと」「拳銃などの武器を所持しないこと」「観察官への定期的報告」を守り、法律に違反しなければ普通の生活を送ることができるという。
また「TMZ」は、「リアリティTV制作会社に問い合わせたところ、その多くが『ドキュメンタリーかインタビュー形式の番組制作をオファーしたい』と考えている」と報道。O・Jに嫌悪感を示す人はまだ多く、地上波など多くのテレビ局では放送拒否される可能性が高い。米FOX局が告白本に基ずいて06年に制作した特番は、お蔵入りとなっている。しかし、昨年放送されたテレビドラマ『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』は大ヒット。同時期に放送されたドキュメンタリーシリーズ『O.J.:メイド・イン・アメリカ』も大勢の人に視聴され、O・Jへの関心度はまだまだ高い。彼のリアリティ番組も絶対にヒットすると見られており、そのため、リアリティTV制作会社は「ペイ・パー・ビューの有料番組」での放送を考えているそうだ。
ほかにも、コレクター向けののグッズにサインする仕事をオファーしたいと申し出ている業者がいるなど、仮釈放後はいろいろと忙しくなりそうだ。97年に民事裁判で負けたため、稼いだ金はすべてロナルドの両親への賠償金支払いに回されるが、「O・Jは金よりも人気や名声に興味がある」と言われているため、チヤホヤされれば大満足だろう。
10月1日には仮出所することが決まったO・J。彼は残りの人生をどのように過ごすのか。全米が関心を寄せている。