194万円の健康食品、朝9時から開店待ちも……「あかひげ薬局」を訪ねる人のさまざまな事情
――横浜店は午前9時開店、午後10時閉店(日祝は午後8時閉店)です。しかし、「朝9時! 精力剤がほしい!」という方がいるのかなと……。
佐藤 いらっしゃいますよ。開店前から待たれている方もいます。「今日の夜、デートになったけど心配だから」という方もいらっしゃいます。さまざまな事情の方に対応できるよう、なるべく長い時間開けるようにしています。
――横浜店は繁華街、伊勢佐木町の大通りに面して入り口がありますが、目立たない裏手にもひっそりとした入り口を設けていますね。どちらの入り口から訪れる方が多いですか?
佐藤 7割以上のお客様が裏手からですね。店に入るまでは、なかなかハードルが高いと思います。
――外観はどの店舗も赤を基調にしていて派手ですが、中に入ると商品のネーミングが攻めているだけで、普通の薬局という雰囲気です。スタッフの皆さんが白衣を着ていて、風邪薬なども売っていて。
佐藤 「予約制ですか?」とたまに質問をいただきますが、予約制ではないのでお気軽に来ていただければと思います。
――いわゆる繁忙期はあるのでしょうか。
佐藤 10月から翌年の3月ぐらいまでが繁忙期に当たります。12月はクリスマスなどイベントもありますし、ボーナスも入りますからね。クリスマス前は多くの方がいらっしゃいます。また、今のような暑い時期ですと「性」というより「体の健康」のために強壮剤※などを買われる方も増えますね。
※強壮剤…男性、女性ホルモンの「強精剤」と違い、栄養ドリンクや漢方薬などのように「滋養強壮」を目的としたもの。強精剤と異なり、男女共用で服用できる。なお、バイアグラは「勃起剤(勃起薬)」。
■飲み物に数滴入れるタイプの商品も提供
――夫婦、カップルの来店は多いのでしょうか?
佐藤 さまざまですね。お二人でいらして飲まれる方もいらっしゃいますし、旦那さん、奥様のどちらか1人が来て「夫が妻に(妻が夫に)もっとやる気を出してほしい」と、やる気のないパートナーに「飲ませる」ためや「性交痛」で苦しむ奥様のためにご相談に来られるケースもありますよ。
――「相手が嫌がって飲みたがらないケース」もありそうですよね。
佐藤 はい。実際よくご相談を受けますね。「媚薬系を料理に入れてもいいか?」と、妊活中の奥様から聞かれるケースもあります。加熱で成分はそこまで変わりませんが、自然のものなので商品によっては若干匂い、風味はありますので、味の濃いものに混ぜてもらえればと思います。また、飲み物に垂らすタイプの「エロチックエクスタシー」も用意しています。
――飲んでから効くまでの時間はどのくらいなのでしょうか?
佐藤 商品によってまちまちですね。医薬品は30分から1時間で効果の出るものが一般的です。
――あかひげ薬局で相談される、男性・女性で多い悩みはなんでしょうか?
佐藤 男女別というより共通しており、性欲減退、精力減退、性感減退、勃起力減退(女性の場合はクリトリスが感じないなど)ですね。やっぱり、もともとは体の健康なんですよね。ストレスがあると精力減退になりますし、また、性欲は消費しないと循環しません。元気がなくなって性交の回数がなくなると、ますますその気がなくなってしまうんですよね。セックスレスがますますセックスレスを呼んでしまいます。
妊活の場合は特に難しく、女性側があまり「子ども子ども」となって「この日は妊娠しやすいから!」となると「作業」になってしまい、男性側は引いてしまうというのはあると思いますし、実際にお客様からよくご相談を受けますね。