カルチャー
元テレ朝アナウンサーも当選

“平愛梨の弟”当選は「このハゲー!」も一因!? 都議選「都民ファースト」圧勝のワケ

2017/07/04 09:40

 今回当選した都民ファーストの議員55人(追加公認を含む)のほとんどは新人です。即戦力とはなりえない人材たちが、今後、都議会でどれだけ活躍できるか、また、それ以前に何かを「やらかす」かどうかは未知数です。

 都民のみならず、国民が最も心配をしてきたはずの築地市場の豊洲地区移転問題も、小池知事が宣言した通りには、法律上も予算上もできないことを都議は全員理解していると思います。もともと豊洲移転を推奨していた公明党が、この都議選に勝つためだけに小池知事にすり寄っていたのですから、今後どのタイミングで反旗を翻すか観察したいところです。

 注目候補の一人だった平愛梨の弟、平慶翔氏も当選されました。実は、平氏は選挙戦中盤の世論調査で落選という結果でした。そこで、元ボスだった自民党の下村博文元大臣の「疑惑」をメディアに流し、自分の選挙戦を有利にしたともいわれています。それに対抗し、下村元大臣も平氏が下村事務所からパソコンを持ち出したことなどを認める上申書をマスコミに配布したりと、訴訟合戦になりそうです。訴訟の結果が出るのは、2~3年後になることもありますから、行方を見守るしかありませんね。

 元テレビ朝日アナウンサーの龍円愛梨さんも当選されました。選挙が始まる前の世論調査では、厳しい情勢と出ていましたので、「都民ファースト」ブランドは本当にすごいと思います。龍円さんと同じ渋谷区で、同じく都民ファーストの大津浩子さんも当選しました。定数2のところに都民ファーストの議員が2人。正直、この結果には鳥肌が立ちました。渋谷区は、定住率(10年後もその地域に住んでいる住民の割合)が低い地域なので、東京の今後をどうしていくべきなのか、という将来の話を訴えても届かなかったかもしれません。有名で面白そうな「都民ファースト」というブランドに過剰に期待してしまったのでしょうね。

 ただ、こんなにも、日本全体から注目された都議選はなかったと思います。あらためて選挙上手の小池さんを称賛したいと思います。永田町のおじさまたちは、国会議員時代の小池百合子のイメージで、その力量を図っていました。しかし、「政治家」小池百合子の評価は低かったですが、「選挙屋」小池百合子は、日本新党の候補者として参議院議員選挙に出馬した時から、風を読む力は神がかりだったのです。

 都議選に駆り出されていた国会議員とそのスタッフたちは、徒労感でいっぱいです。選挙期間中はなかなかゆっくりさせてもらえないので、選挙に勝てば、その高揚感で疲労もふっとびますが、今回の結果に喜んでいる国会議員秘書はほとんどいません。そうはいっても、与えられた仕事を日々こなすだけです。次の選挙の現場へ派遣される秘書もいますし、国会閉会中は地元へ派遣される秘書も。今はひっそりと静まり返っている永田町です。
(神澤志万)

最終更新:2017/07/04 09:40
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