カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」6月号

おフェロ顔の次は「うさぎFACE」!? 自己陶酔ポエムが垂れ流される「ar」メイク術

2017/06/04 16:00

 続いての「考えるのはこのことだけ! スタイルUP虎の巻」も、ボディ特集の一環。スタイルアップして見えるファッションを紹介するページです。「ボンキュッボン」「美脚」「美小尻」「美胸」などのキーワードに合わせて服が紹介されているのですが……。例えば「美胸」のコーナー。掲載されている6着全て、胸元がガッツリ開いたノースリーブです。「着るだけで美胸を叶える神TOPS」と謳われていますが、これらを貧乳女子が着たら、かがんだ時に全てが丸見えの大惨事となることが目に見えています。「美脚」コーナーでも、大胆なスリット入りスカート、レース越しに脚が透けるスカートなど、露出の多いアイテムが紹介されています。この特集、「コレを着たら美胸・美脚に見える」というアイテム紹介に見せかけていますが、実のところは「美胸のあなたはコレを着ろ」という、逆説的なもののようです。

 セクシーでなければ、ハッピーに着こなせないアイテムの羅列によって、表紙で示されていた「セクシーだからハッピーになれるのではなくて、ハッピーだからセクシーになれるんだよ!」という教えが、崩れ去っていきました。

■裏設定に萌えるメイク
 先月号でも紹介されていた「うさぎ女子」。うさぎ女子とは「『こっちは計算してるわけじゃないのに、なんだか惑わしちゃう……』的な、ナチュラルボーン・モテ子」であると先月号では紹介されていましたが、今月号では「うさぎ女子」の「うさぎFACE」を作るメイク方法の詳細が明かされています。

 モデルを務めるのは、欅坂46の今泉佑唯と上村莉菜。よく似ていて見分けがつきませんが、今泉が「おてんばうさぎFACE」、上村が「甘えんぼうさぎFACE」を披露しています。うさぎには2種類いるのだということも、初めて知りました。

 「おてんばうさぎFACE」は、「好奇心旺盛でひとつの場所に留まることを知らないから、ちゃんとつかまえないと、遠くに行っちゃっても知らないんだからねっ(ハート)」というキャラ設定。メイクのポイントは「元気系キャロットオレンジとまぁるい瞳」だそうです。もう一方の「甘えんぼううさぎFACE」は、「基本かまってほしいけど、たま~に放っておいてほしい時もある、普段はふわふわしてるのに、ちょっとツンデレ系なわがままもご愛嬌な甘えぼう」という設定で、メイクは「ドキドキさせるつもりはないの。でもじんわり血色感が止まらない!」を表現するため、赤みを目元、頬、そして鼻先にまで乗せたもの。「あ…、今ギューッてしたいって思ったでしょ!?」と、自分に酔ったかのようなリードまで付けられています。

 ぱっと見、流行した「おフェロメイク」との差がわからないのが正直なところですが、こうしたメイクの裏設定(=物語)に気分が上がるのが、「ar」の良い読者となる「ハッピーだからセクシー!」女子なのかもしれません。「うさぎ女子」もブームとなるのか、注目していきたいところです。
(島本有紀子)

最終更新:2017/06/04 16:00
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