サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューおフェロ顔の次は「うさぎFACE」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「ar」6月号 おフェロ顔の次は「うさぎFACE」!? 自己陶酔ポエムが垂れ流される「ar」メイク術 2017/06/04 16:00 女性誌レビューar 「ar」6月号(主婦と生活社) ビューティ&ファッション誌「ar」(主婦と生活社)6月号は、夏前恒例のボディ特集です。表紙のキャッチフレーズは「Happy BodyでSexy Summer! 美味ボディはつくれる!」。このキャッチ、素晴らしいです。ありがちな「“Sexy” Bodyで“Happy” Summer!」ではないところがキモです。「セクシーだから幸せになれるのではなくて、ハッピーだからセクシーになれるんだよ!」という、同誌らしい夢見がちでキラキラとしたメッセージが表現されています。あっぱれ! この「ハッピーであればセクシー!」という多少無理矢理な思考は、誌面でも発揮されているのでしょうか。早速、見ていきましょう。 <トピックス> ◎おナチュなお色気 岸本セシル ONLYセシル ◎考えるのはこのことだけ! スタイルUP虎の巻 ◎うさぎFACEになりたくて ■カバーガールが言い訳「撮影前に風邪」 巻頭のメイン企画に登場したのは、今月号のカバーガールも務めているモデル・岸本セシル。合計8ページの特集には、「お生BODYのレシピはコレッ(ハート)」「ハダと髪とセシル」「CECIL BODY SECRET」「BODY BODY BODY」「セシルのフレッシュフェロモンBODY!」と見出しが並び、よくこれだけ似通った見出しを考え付いたものだなぁと感心してしまいます。それぞれのページでは、彼女のお気に入りボディケアアイテム、体形をきれいに見せるおすすめファッションアイテムなど、セシルに近付くための“アイテム”が多数紹介されています。食事、運動法といった実践的アプローチではなく“アイテム”というのがポイントです。努力ではなく、このアイテムさえ買えば、もしかして……、と読者に夢を与えます。 注目したのはインタビューでの彼女の発言。ボディラインを出す撮影があるときには「3か月くらい前から腹筋でくびれをつくって、ラスト1週間はお昼の炭水化物も減らしつつ、筋トレも強化するのが私流のメソッド」と、実践的アプローチをやっと語っておきながら、「だけど今回は撮影前にひどい風邪をひいてしまって運動も食事制限も思うようにできなくて」と“言い訳”めいた告白をしています。編集部からは「なんと撮影1週間前にインフルエンザで寝込んでしまったそう。病み上がりとは思えぬオーラ&輝く美肌で、スタッフ一同さらにメロメロ」とフォローまで。こういった裏側の事情を、あえて明かす必要はあったのでしょうか。記事の中でも「ヘルシーさ」や「健康的な魅力」を押し出しているセシルの、インフルでダウン情報……。万全な状態ではないのにハッピーボディのセシルを見せつけられた読者は、ただ別世界の人間にウットリとするしかありません。“ウットリ→ハッピー→私もセクシー!”と考えられたら良いのかもしれませんが、かなりの思考の飛躍が必要です。 次のページ 貧乳女子には厳しいセレクト 12次のページ Amazon ar 2017年 06月号 関連記事 四つん這いで、にんじんをくわえる吉岡里帆は「計算じゃない」! 疑問だらけの「ar」モテ指南「背中の産毛はトラウマ」という男に「彼をとろとろにするのが愛」と尽くす女、「ar」の歪んだBODY特集オシャレな表紙とハイテンション造語でごまかされてる、「ar」の“今じゃない”ジェンダー観雑誌より読者の方がモテている? 虚しくこだまする「ar」の「Sexy Lady」という女性観感情を解き放って「自分が満足状態にあること」=モテだと促す、「ar」の残酷さ