『ひよっこ』、倉本聰『前略おふくろ様』のオマージュ演出!? “小ネタ”に沸く視聴者たち
『ひよっこ』(NHK総合/月~土、午前8時) 茨城県北西部の村に生まれたヒロイン・谷田部みね子(有村架純)が主人公。みね子が集団就職での上京を経て、様々な経験を積みながら自分の殻を破っていく姿を描いた成長物語だ。
■5月3日(水)/27話~5月5日(金)/29話
27話では、東京に行ったみね子に思いを馳せる家族たちの様子が描かれた。一方、みね子は工場でトランジスタラジオの部品を流れ作業で挿していく仕事を開始。しかし、持ち前の不器用さがたたって、全員で行うライン作業でミスをしてしまう。
28話でも、みね子は工場でミス連発。うまくいかず落ち込むあまり、寮の舎監・愛子(和久井映見)からの「そのうちできるようになる」「大丈夫」という励ましにも腹が立って仕方がない。その日の夜、すでに布団で横になっていたみね子の隣で、みね子のミスをめぐって幼馴染の時子(佐久間由衣)と向島電機の新入社員・豊子(藤野涼子)の喧嘩が勃発。実は起きているみね子は寝たふりを続けながら、居心地の悪さを感じていた。
29話では、時子と豊子の喧嘩は無事収束。途中でみね子が寝たふりをして話を聞いていたことはバレてしまったが、時子や豊子、そして同室で向島電機の先輩である幸子(小島藤子)や優子(八木優希)との仲は深まった。そして翌日みね子は、一度もミスすることなく1日の仕事を終えるのだった。
時子と豊子の喧嘩シーンでは、どこか気の抜けたみね子の“心の声”が視聴者から大好評。「いい場面です……はぁ起きたい。顔が見たい。泣いてますか? 感動してますか?」「お父さん……今がチャンスです!」といったナレーションに対し、ネット上では「みね子の心の声がめちゃくちゃ面白い」「視聴者にはみね子の心がダダ漏れですよ」との声が続出した。さらに、「みね子の『お父さん……』で始まるモノローグ、倉本聰の『前略おふくろ様』を思い出させる」「『前略おふくろ様』のオマージュなんじゃない?」という推測の声も上がっていた。
果たして本当に、制作側がオマージュを意図しているかは定かではないが、こうした“小ネタ”は、昨今のドラマ界ではよく見られる演出方法。多用しすぎて視聴者から煙たがられることもあるだけに、“ほどよく”を心がけてほしいものだが……。