ゲス川谷が約半年で復帰! ベッキーに比べ謹慎が軽い理由を弁護士に聞いた
「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。
<今回の番組>
『ワイドナショー』(フジテレビ系/5月7日午前10時〜)
<今回の疑問>
ベッキーよりゲス極み乙女。川谷のほうが自粛期間が短いのはなぜ?
活動休止中だったロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル・川谷絵音が、5月7日に『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演、約半年振りに復帰して話題となっている。10日にはバンドの新アルバムを発売し、同日に復活ライブを行う。ベッキーとの不倫騒動などで昨年10月から活動自粛していた川谷だが、約半年での復活に「早すぎる」「本当に反省しているのか」と、厳しい声も上がっている。
一般的に独身者と不貞行為を行った場合、独身者側よりも既婚者側のほうが多くの責任を問われるといわれている。しかし、CMを10本以上降板したベッキーに比べ、妻帯者であった川谷の処分が活動自粛半年と軽いのは、なぜだろうか? アディーレ法律事務所の鳴海裕子弁護士に聞いた。
「不倫(不貞行為)は、一方配偶者の権利を侵害する行為であり、不貞配偶者と不貞相手の共同不法行為です。しかし裁判例では、『合意による貞操侵害の類型においては、自己の地位や相手方の弱点を利用するなど悪質な手段を用いて相手方の意思決定を拘束したような場合でない限り、不貞あるいは婚姻破綻についての主たる責任は不貞を働いた配偶者にあり、不貞の相手方の責任は副次的なものとみるべきである』(東京高裁昭和60年11月20日判決)とされています。この裁判例に従えば、本件の事案では、独身であるベッキー氏よりも、当時既婚者であった川谷氏の方が責任は重いということができます」
では、なぜ、責任が重いほうの川谷が約半年で復帰できて、ベッキーは損害金5億円超といわれるまでの自粛をしなければならなかったのだろうか?
「芸能人ともなると、それまでにメディア等で築き上げてきた信用や露出度が大きければ大きいほど、事件のマイナスイメージの影響は大きくなるものと思われます。今回の件でいえば、川谷氏は音楽・芸能の分野で成功をおさめ、かかる分野では信用や露出が多くあったものと思われます。一方、ベッキー氏はお茶の間全般への知名度も高く、あらゆる方面・業界からの信用が高かっただけに、今回の事件のマイナスイメージの影響も大きかったのではないでしょうか」
復帰後の「ゲス極」は、音楽番組のトークなどの場面でもドラムの「ほな・いこか」に積極的に話させ、ソロ活動も行っていく方針だという。ほな・いこかの名前をメインに押し出し、文字通りの“ゲス”のイメージを払拭しようとしているようだが、世間から川谷へのバッシングは、当分続きそうである。
<疑問大募集>
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