『やすらぎの郷』、恋ダンスならぬ“老いダンス”に「こんな斬新なパロディなかなかない」
ニッポンのお茶の間をわかし続ける“昼ドラ”――そのあらすじと視聴者からの反響を、サイゾーウーマンが週2回(月・木曜日)お届けします!
『やすらぎの郷』(テレビ朝日/月~金、昼12時30分) テレビ業界人専用の老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」を舞台に、家族、財産(遺産)、過去の栄光、恋、死への恐怖、芸術への心残り……、さまざまな思いを抱える老人たちと、彼らに翻弄される脚本家・菊村栄(石坂浩二)の姿を描く物語。
■5月2日(水)/22話~5月8日(月)/26話
22話では、“お嬢”こと白川冴子(浅丘ルリ子)、“姫”こと九条摂子(八千草薫)、水谷マヤ(加賀まりこ)たちが、呪ってやりたい人の名前を叫びながらナスに割り箸を突き刺して揚げるという「ナスの呪い揚げ」の儀式を実行した。栄も参加していたその儀式も夜には終了し、過去のアルバムを見ながら、参加者たちは大騒ぎの飲み会を始める。過去のアルバムの中には、栄の亡き妻・律子(風吹ジュン)の写真もあった。
飲み会翌日の朝から物語がスタートした23話。前日のけだるさが残る栄のもとに、なんと儀式で名前が挙がった人物が突然死を遂げたというニュースが舞い込んでくる。ニュースを聞いた栄は儀式に参加した人々を集め、本当にその人物が呪いのせいで死んだのか、検証を始める。
24話では、お嬢が本当に人を殺してしまったかもしれないと部屋に引きこもってしまう。一方、栄はあの日の夜に見た律子の若い頃の写真がきっかけで、女優業の引退後、認知症を患った律子を介護し続けていた日々を思い返す。そして、セリフを忘れた律子を酷評し、引退するきっかけを作った演劇評論家を“呪い揚げる”妄想をするのだった。
かつて任侠映画で一世を風靡した高井秀次(藤竜也)が「やすらぎの郷」に入居するというニュースが施設内を駆け巡ぐった25話では、「やすらぎの郷」全体が憧れの人の入居に色めき立っていた。しかし、栄の友人である“マロ”こと真野六郎(ミッキー・カーチス)は、お嬢やマヤを含め、秀次と関係のある女性が施設内に多数いることが心配だと告げるのだった。
26話では、秀次がいよいよ入居する日に。「やすらぎの郷」の女性入居者たちは、朝早くから、美容院に行ったり、バッチリ化粧をしたり、めかしこんで、秀次の到着を待つ。しかし、駅まで迎えに行ったはずの車には乗っておらず、結局、その日秀次は現れなかった。一方、栄は、マロが口を滑らせてほのめかした、秀次と律子との関係について、井深涼子(野際陽子)に聞こうとするが、涼子も口を割らず、栄は悶々とした気持ちを抱えたままなのであった。
新たな人物の登場でまたもや大騒ぎとなりそうなドラマ『やすらぎの郷』。休む間もなく話題を提供してくれる同作だが、25話のラストでは、ラジオ体操のような雰囲気を醸し出す同作オリジナルの体操「やすらぎ体操」が披露された。陽気なBGMに合わせ、NHKのラジオ体操風のお姉さんが体操をする映像と、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の「恋ダンス」のように登場人物たちが踊っている映像が切り替わりながら流れる様子に、「こんな斬新なパロディ、なかなかないぞ」「局というくくりガン無視すぎてスゴイ」と視聴者も驚愕。「老いダンス」という言葉も生まれ、さらに「歌詞もじっくり聞くとヤバイ」「最後のジャマイカのポーズが、ウサイン・ボルトの勝利の決めポーズだということはわかった」と小ネタもたっぷりのようだ。
思いもよらない演出を“ぶっこんできた”昼ドラ『やすらぎの郷』。これからも視聴者の想像を超える演出に期待しよう。