カルチャー
『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』著者・汐街コナさんインタビュー
「死ぬくらいなら会社辞める」のは簡単じゃないーー過労死マンガの作者が訴えたかったこと
2017/05/05 15:00
――汐街さんは、母親や同級生からの助言で「このままこの会社で働いていたら死ぬかもしれない」と気づけたとのことですが、そういった状況に気づいていない方もいると思います。気づくためにはどうすればいいと思いますか?
汐街 人によってストレス耐性は全然違うので、200時間、300時間働いても平気な方もいます。でも、それも本当は平気じゃなくて、ただ自分の身を削っているだけですが……。だから、不眠や体調不良が出てきたら一つのサインだと思います。私も電車に飛び込みそうになる前、慢性的な目まいやおなかを下すことはあったのですが「たいしたことないかな」と気にしていませんでした。でも、そのような症状が出てきたら「今、体が悲鳴を上げている」と自覚した方がいいのかなと思います。ほかにも、普段は普通にできていることができなくなる、勝手に涙が出る、といった症状もそうだと思います。
――今回の作品は、精神科医のゆうきゆう先生が監修されています。監修をゆうき先生に依頼したのはなぜですか?
街汐 ゆうき先生自身、私がツイッターにアップした漫画を「すごくわかりやすいです」というコメントと共にリツイートしてくださったんです。私自身、ゆうき先生の『マンガで分かる心療内科』(少年画報社)という漫画をネットで拝見していました。鬱や心の問題は一般の人からすると少しハードルが高く、いきなり「心療内科に行こう!」とはならないと思うのですが、ゆうき先生の漫画は、わかりやすく「気構えなくていいんだな」ということが伝わってきて、もしご協力いただけたら読む方のお役に立てるのかなぁと。