カルチャー
證大寺・井上城治住職インタビュー

「墓じまい」がはやる時代の供養の形ーーLGBTや内縁関係でも入れるお墓が生まれたワケ

2017/04/25 15:00

――今後はやはり、関係性を問わないお墓「&<安堵=あんど>」のニーズが高くなってくるとお考えでしょうか?

井上 社会の動向と一緒じゃないですかね? 今は戸籍を入れていないカップルも多いですし。でも、僕はお墓そのものよりも、お参りについてしか重要と考えていません。お墓は、宗教・宗派関係なく、お参りできる場所として存在していればいいんです。お参りは、子どもを連れて「お父さん、来たよ」と報告するのではなく、故人と向き合って「お父さんがいたら何と言うかな?」と考えて時間を過ごすことが大事です。それがお参りなのです。一方的な報告だと、SNSと一緒になってしまいます。お参りは向き合うことなので、故人に手紙を書くことも推奨しています。

――でも、「手紙を書く」ということも一方的な行為ですよね?

井上 その通りです(笑)。本当は手紙をもらう方が大事。だから、僕らは生前にお墓を買ってくれた人に対して、自分の子どもや家族、パートナーに向けて「ラストレター」を書いてもらい、いったんこちらでお預かりしているんです。そして、その人が亡くなった四十九日のときに渡すんですよ。関係性を問わないお墓「&<安堵=あんど>」の場合は2人しかいないですから、生きているときにお互いを思って書きます。そして、パートナーが亡くなって寂しくなったときに、その手紙を読んで返事を書いてもらうのが目的です。

 でも、手紙は自分の死と向き合って書かねばならないので、本当にハードルが高くて、みなさん書きながら号泣されます。でも、「書けない」と感じることも大事です。そして、書くと気持ちが整理されます。お墓を買うということは、死と向き合うことに一番近いのに、みんな死ぬことを考えていないんです。
(姫野ケイ)

井上城治(いのうえ・じょうじ)
證大寺住職。仏教に人生を学ぶ「仏教人生大学」や、手紙寺・證大寺「銀座道場」の開設など、仏教を通してさまざまな活動を行っている。

最終更新:2017/04/25 15:00
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