タイで護送車に揺られる山辺節子の姿に思うこと
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎魅惑の山辺節子劇場
いやー。さすが微笑みの国・タイ。空港に護送される際の節子の映像は、今年一番笑顔になれたよね。
檻付きの軽トラでドナドナのように運ばれていく節子。それだけでも十二分に取れ高のある画ヅラなのに、なんとそのままガソリンスタンドに入って給油タイム。その間、みんなでドナドナ節子に近づき放題聞き放題。ありがとう、タイの司法制度。檻越しに高いソプラノボイスで質問に丁寧に対応する節子。まるで貴婦人のよう。
節子の脳内では、きっと「ヴァレンヌ逃亡から送り返される王妃マリー・アントワネット」みたいなイメージが構築されてんだろうなぁ。フルメイクが許される環境で、髪をサイドでアップしたのは多分、「風が入ってくるから」という車の仕様を考慮してのことと推察される。乱れた髪を見られるのはイヤという乙女な節子。しかし空港に到着する直前の、下から上へのガーッというワイルドな髪の梳かし方に、実年齢が浮かんでくる。あれは昔の梳かし方だ。今の若者はあれはやらない。
車から自分でトランクを下ろす節子。例のホットパンツはセットアップだった。そしてトップスはやっぱり二の腕全開。腹以外は見せていく節子。節子の着回しも見られてよかった。着回しはどこでも人気の企画だからね。
港港でホストに入れ込み、ぶっ込んでいたらしい節子。節子ォー、辛抱せなアカン! いや、節子を見たい知りたい考えたいで頭がいっぱいの方が、節子を辛抱せなアカンのである。それは私だ。
◎本当に心配
坂口杏里、逮捕。もちろん想定の範疇ではあったが。早かったなー。しかも「ホストから3万円ユスろうとして」かぁ。「金出さないとホテルでの写真バラまくよ」かぁ。普通は立場逆だよね。あー。シビれるレベルの想定外。
タレントが転がり落ちていく際の谷の深さを、ギネス級で更新し続けている坂口杏里。しかしトップには西川和孝が君臨している。これを抜き去るのはなかなか難しいぞ。抜き去らんでいい抜き去らんでいい。
「逮捕される」というのはかなりの親不孝であるが。更なる親不孝の上塗りを防ぐために、坂口杏里に残されたミッションはただひとつ。「死なない」だけだ。……頑張って。
◎木村拓哉の真実
キムタク、『報道ステーション』(テレビ朝日系)出演! 番宣に報道番組を使うなって。
しかし意外と無神経にデリケートゾーンを抉っていた富川悠太アナ。そこわざわざ聞く? そこ掘り下げる? という逆撫で系質問多し。ピュアな図太さが印象的。
久米宏、古舘伊知郎、富川悠太と、一見無秩序に見える歴代『ステーション』MCであるが。「図太い」という共通項で括ると、何かこう、点が線になる気がするな。
ま、どの図太さもキムタク超えはしていないが。いやー。もし自分がキムタクだったらと思うと……。全てが今さらもう無理無理無理無理。そこからまだ粘れるその太さ。キムタクのKは、K点越えのKだ。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。