派遣先の経営者と婚外恋愛、離婚、そして愛人へ――バツイチ女性が語る「私は女に嫉妬される」の意味
■婚外恋愛相手は、既婚の経営者
充希さんは寂しさを紛らわせるために、再び派遣で仕事を始めた。
「今の彼と知り合ったのも派遣先です。熊みたいなルックスで、優しくて、一目惚れでしたね」
その恋人は、彼女の派遣先の経営者、しかも彼も既婚者だというから驚きである。
「私の方から一生懸命アプローチしました。もちろん彼は私が既婚者だということは知っていましたが、それでも受け入れてくれたんです」
入社後、彼と婚外恋愛関係になるには、そう時間がかからなかった。彼に惚れこんでしまった充希さんは、夫とのスキンシップを拒絶するようになってしまう。
「一緒にお風呂に入るのはもちろん、おはよう、おやすみのキスも、もちろんセックスも全て拒みました。だからあっさりバレちゃいましたよ」
泥沼になるはずだったが、意気消沈してしまったご主人は、条件も何も提示せずに離婚を求めてきたという。以来充希さんは、恋人の所有するマンションで暮らし、いわゆる愛人生活を送っている。
「派遣先は辞めて、引き続きパートとして彼の会社で働いています。とはいっても週に2回、5時間だけですけど……それなりのお給料をいただいているので、みんな怪しんでいると思いますよ。でも誰も何も言いません。もともとパートの女性が多い小さな会社で、あらゆるウワサは絶えませんし、奥さんとは私が来る前から仮面夫婦だったみたいだから」
彼の所有するマンションには、基本的に肉親以外を招き入れることは禁止されているそうだ。
「それに、今こういう生活をしているって話したら、女友達がほとんどいなくなっちゃいました。母と妹には、彼が既婚者だということは秘密にしていますけど……」
24時間、彼の監視下にある現在の充希さんの生活だが、息苦しさを感じないのだろうか?
「全然平気ですよ! 一番下のお子さんがまだ小さいので、土日は毎週会えないのが寂しいくらいです。彼との交際で唯一イヤなのはセックスですね……私、あまりセックスが好きじゃないんです。それよりもいちゃいちゃくっついている方が、幸せを感じます」
大勢の友達をなくし、彼と2人きりの濃密な時間を過ごす充希さん。前のご主人との生活に辟易し、婚外恋愛に走ったのも、こうした時間が得られなかったからなのかもしれない。筆者が彼女の立場であれば、とてつもなく寂しく不安な毎日に感じてしまうが、彼女の幸せは、彼女自身が一番かみしめているのだろう。
(いしいのりえ)