“隙のある女”になるために涙ぐましい努力をしてしまう「GINGER」女子のズレ
今月の「GINGER」(幻冬舎)の表紙は、春らしいピンク! これまでの地味……ではなく、クールな印象の表紙デザインとは一線を画し、コンサバ系女性誌と比べても遜色ない華やかさ。もしかして、“他人に舐められたくない!”というプライドを感じさせる、これまでの情報量満載の誌面から、ゆるふわ甘々の誌面に路線変更? 早速、中身をチェックしていきましょう。
<トピックス>
◎COVER WOMAN 水原希子 自分らしく、自分であるために。
◎これやれば、誰でもおしゃれになれる!
◎GINGER的 マインドフルネス案内
■「GINGER」女子の目指す場所とは?
まずは、今月号のカバーモデル・水原希子の巻頭インタビューから見ていきましょう。筆者のイメージでは、希子はキリッとした鋭い目線で、周囲に決して媚びない印象でしたが、今回の表紙や誌面のカットでは、始終柔らかな印象の写真が使われています。
インタビューでは、「“モテ”とか“癒やし“とか、男ウケの思想に寄り添っている女性の方が、お茶の間的にウケるし、求められるから。別にそれも否定しないけれど、もっといろんな女性がいてもいい。たとえば、私なら、モテ系じゃないけど(笑)、恋愛とかファッションとかプライベートをすごく楽しんでいるから」「私と同じように生きてほしいわけじゃない。生き方は人それぞれです。モードよりも、モテ服が好きなら着ればいい。愛よりお金が欲しい人生もアリです。それが自分の選択ならば。いろんな人に伝えたいのは、すべては自分で自由に選択できるということ」と語っている希子。彼女の発言を読んで、イマイチ本心の見えにくかった「GINGER」女子たちが目指すべき場所がわかった気がしました。
それは、「自分は自分」と堂々と語れる言葉やブレない軸を持つことなのではないでしょうか。「GINGER」を読んでいると、都会で働き、流行のファッションも友人に引けをとらないくらいのちょうどよさで取り入れ、女子会やゴルフなどに明け暮れる、とにかく多忙なアラサー女子像が浮かび上がってくるのですが、彼女たちは、結局自分が何をしたいのかがわからなくなっているのかもしれません。それだけに、「GINGER」女子たちが総じてあまり楽しそうではなく、お疲れ気味なのも納得です。希子のインタビューが、そんな「GINGER」女子たちに何かしらの示唆を与えてくれるかもしれないと、勝手に希望を持ちました。
しかしそれにしても希子……一瞬、26歳にしてこんな当たり前で、でも体現するのはなかなか難しい境地によくぞ辿り着いたと思いましたが、正直言って実際の彼女には、“仕事一筋”という印象も、かといって“恋愛や結婚に積極的”な印象もなく、最近では炎上タレントのイメージが強いです。希子の言葉とは裏腹に、「一体何がしたいんだ」とツッコみたくなることもしばしば。「GINGER」女子が、実態のない自己啓発に溺れませんように!