[女性誌速攻レビュー]「Domani」3月号

「Domani」、松嶋菜々子の「平凡な私」語りに潜む“芸能界のマミートラック”を生きる術

2017/03/29 21:00

芸能界のマミートラックとは

 ここで先月号の「35歳からの『結婚できる』体質改善トレーニング」でのカリスマ婚活アドバイザー・植草先生の言葉を思い出しましょう。たしか、植草先生は「男性と同じく働き続けてきた30代後半以上の女性は“仕事脳”になっている人が多いです。仕事優先なのはもちろん、人に甘えるのも下手、洋服も黒っぽくて体のラインを隠すパンツや長いスカートなど、仕事がデキそうな戦闘服ばかり」って言ってましたよ。「白やピンクなどの服で柔らかい印象に」とも書いてありましたよ! そんな言葉からすると、公私ともに順調だから黒ベースの春服を着れるのねぇ……なんて気持ちに。いっそのこと、「婚活中の35歳オーバーの4月の1か月コーディネート」なんていう、植草先生監修の攻めに攻めた企画出てこないかしら〜? 黒を排除し、淡色だけで生きていかなきゃならない春もあるんですよね!?

■芸能界のマミートラック
 先月号の「女」へ向けた婚活指南とはうってかわり、今月号は、「女」「妻」「母」誰しもが興味深く読めるようにと考えられた企画がありました。少々堅めの「マミートラック」のお話。「マミートラック」とは、「働く母親が職場復帰後、仕事のやりがいを失ったり、昇進・昇格から遠ざかったりする現象をさす」とのことです。NHKオンライン『働く女性のリアルマミートラック〜働くママ1300人の声から〜』の調査によるとマミートラックを経験したことのある人は27.8%とのこと。この数字が多いのか少ないのか、いまいちわからないっていうのが本音ですが、今回はワーキングマザーのリアルボイスが7つのケースによって書かれていました。

 7つの内訳は、「手探りでマミートラック」「キャリアビジョンが描けないマミートラック」「能力が発揮できないマミートラック」「“配慮”されない逆マミートラック」「負担増は妻だけマミートラック」「上司の気使い過多マミートラック」「退職せざるを得ないマミートラック」となっています。

 「女」の立場である筆者がこれらを読むと、「キャリアビジョンが描けない」や「能力が発揮できない」は、マミートラックでなくても普通に起こるし、「負担増は妻だけ」は家庭の問題ではないの? と胸がザワザワ。「“配慮”されない」と「上司の気使い過多」は真逆の意見だし、そもそも「思い」は計れないだけに、クレームや不平の種としていくらでも挙げられますよね……。そんな数々のマミートラックに関わる問題の根源は、シンプルに「コミュニケーション不足」だと「Domani」は解説。会社とワーキングマザー双方の「思い込み」と「コミュニケーション不足」が原因だから、話して伝えて話を聞いて、考えて検討してはどうかい、と提案しております。なんでしょう、このなんにも解決してない感……!

 さて、ワーキングマザーつながりなのか、芸能界で働く母・松嶋菜々子さんのロングインタビュー「平凡な私が居場所をみつけるまで」も必読です。ただ、「子育て」や「仕事」という話ではなく、中心は「美しくしなやかに生きるヒント」であります。


Domani(ドマーニ) 2017年 04 月号 [雑誌]