KANA-BOON・飯田は、過去の不倫関係をほのめかした、清水富美加を訴えられるのか?
「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。
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清水富美加の不倫告白は名誉棄損になる?
宗教団体「幸福の科学」に出家した女優・清水富美加が、ロックバンドKANA‐BOONのベーシスト、飯田祐馬と過去に不倫関係にあったことが明らかになった。告白本『全部、言っちゃうね。~本名・清水富美加、今日、出家しまする。~』(幸福の科学出版)内に記述されていた「悩みの種だった好きな人」について、ネット上でいろんな名前が取り沙汰される中で、飯田自ら所属事務所に報告し、判明したのだが、すでに終わった関係について公になったことで、飯田が活動休止等の不利益を被った場合、それについて清水に損害賠償を請求することは可能なのだろうか? アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。
岩沙弁護士によると、飯田が活動休止になったとしても、清水に損害賠償請求することはできないという。
「不倫をした場合、飯田さんの奥さんが、飯田さんと清水さんに対して慰謝料を請求できるという関係になりますが、飯田さんが清水さんに損害を請求できる権利は発生しません。また、関係をあえて暴露したことが名誉毀損に当たるとして損害を請求することも考えられますが、そもそも清水さんが実名を暴露したわけではなく、名誉毀損が成立しないことも考えられますし、仮に成立したとしても、損害の範囲に活動休止の不利益まで認められるとは限りません」
KANA-BOONの所属事務所は、公式サイト上に飯田による謝罪文を掲載。それによると、飯田は、既婚者であることを隠して清水と交際を開始。その後、既婚であることを告白してからも、妻との離婚をほのめかしつつ、交際関係を続けていた。既婚であることを隠したり、離婚をほのめかしたりして、相手を騙して不倫した飯田に対して、清水が慰謝料請求することは可能なのだろうか?
「独身であると偽り相手を騙して交際し、結婚に対する期待などを持たせると慰謝料を支払わなければならない場合があります。過去の判例では、妻と別居中の男性が、既婚者であることを隠して女性と交際し、妻との婚姻関係が修復された後も、そのことを隠し、相手に結婚に対する期待を持たせながら性的関係を継続した行為について、100万円の慰謝料を認めました(平成27年1月7日東京地方裁判所判決)。清水さんの場合も、独身であると偽り交際し、既婚であることを打ち明けたあとも離婚をほのめかし、清水さんに結婚への強い期待を持たせ続けていたという事情があり、飯田さんの悪質性が高いと判断された場合は慰謝料請求が認められる可能性があります」
飯田は、謝罪コメントで、妻とその両親に謝罪し、夫婦間では解決しているとも表明しており、昨年多発した不倫騒動に学んで、速やかに対応したと思われる。しかも、3月1日リリース予定の新曲「Fighter」は、情報番組等で何度も流されており、彼らにとっては良い宣伝になったようだ。
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