口コミ大人気の「ハイピッチクレンジングオイル」をぶった斬り【連載:本当はヤバいクレンジング】
――「洗うだけでスキンケア」「角栓まで落とす」「潤いを与える」……洗顔料やクレンジングに躍るキャッチコピーは良いことばかり。でも、本当に肌にいいの? そこで、定番&人気のアイテムを、化粧品の成分解析で知られるかずのすけ氏と、化粧品検定一級で化粧品開発の経験を持つ安藤美和子氏(「アンチエイジングの神様」)が大検証!
■角栓までは落とせないし、保湿力は弱い、特別優秀なところはないクレンジングオイル
【商品名】黒龍堂 ハイピッチ ディープクレンジングオイルW(190ml/900円※税抜価格)
【PRコピー】マスカラも角栓も一度に落とせるクレンジング力/ニキビになりにくい!やさしさを考えた処方
総合評価 C-
<かずのすけ氏の成分解析評価>
◎主な洗浄成分は?
ミネラルオイル、パルミチン酸エチルヘキシル
特筆すべきは「ミネラルオイル」。強力な油性基剤で脱脂作用が強いです。低価格クレンジングの主成分は基本的にこれですが、一般に「オイルクレンジングは乾燥する」といわれている、大本の原因がこの成分になります。安い原料のため、市販商品はどれもこれもこの成分が主成分です。そのほかに配合されている、ラウリン酸PEG-12、オレイン酸ポリグリセリル2、デシルグルコシドはすべて乳化用界面活性剤です。界面活性剤や油剤自体に刺激性などはないのですが、脱脂力が高すぎることから乾燥肌や敏感肌には不向きのクレンジングです。素早くメイク落としをするのがポイント。
ただ、ミネラルオイル100%ではなくて、合成エステル(パルミチン酸エチルヘキシル)を添加しているので、ミネラルオイルオンリー処方よりはややマシ。とはいえ、主成分にミネラルオイルを選んでいる時点で「やさしさを考えている」とは、あまり思えません。商品名に「ハイピッチ」とあるので、それなりにパワフルなクレンジングという想定のもと作られているのかもしれませんね。
<安藤美和子氏の使用感評価>
◎使用感レビュー
・汚れ落ち:★★★☆☆ マスカラの繊維もラメもキレイに落ちました。ただ、ウォータープルーフアイライナーだけはやや落ちにくいのが難点です。目元にはたっぷり使った方が良いでしょう。