NHK『スタパ』を打ち切り、昼の情報番組戦争に参入! その勝算はお昼の『あさイチ』化?
なんとも思い切った戦略だ。NHKが人気番組『スタジオパークからこんにちは』(第1部=平日午後1時5分~1時55分、第2部=同2時5分~2時54分)を3月いっぱいで打ち切り、4月より午後1時台から3時台に、3時間の大型情報番組『ごごナマ』の放送を開始することを決めた。現在、午後3時台には、月~木曜が再放送番組、金曜も同じく再放送で、BSプレミアムの紀行番組『世界で一番美しい瞬間』をオンエアしているが、この枠も新番組の放送枠となる。
『スタパ』は1995年3月22日にスタートしたご長寿番組で、番宣ゲストを招いてのトークが売り。歴代の司会者は堀尾正明アナ、有働由美子アナ、武内陶子アナ、住吉美紀アナ、青山祐子アナといったそうそうたるメンバーで、22年間平日午後のお茶の間に浸透していた。
現在、午後1時台までの情報番組では、TBS系『ひるおび!』が5年連続で視聴率トップ。日本テレビ系『ヒルナンデス!』も健闘しており、フジテレビ系『バイキング』も討論形式にチェンジしてから好調で、激しい視聴率戦争を繰り広げている。
午後2~3時台では、日本テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』が独走。裏のTBS系『ゴゴスマ‐GO GO!Smaile!‐』、フジテレビ系『直撃LIVE グッディ!』は苦戦をしられている状況だ。
それらの時間帯に、NHKが人気番組を終了させてまで、情報番組戦争に参入するというのだから、同局の意気込みはハンパではない。
「『スタパ』でやっているトークコーナーは、新番組の中で継続するようです。日々起こる事件や災害、社会情勢に対応した番組が昼にも必要との判断なのでしょう。『あさイチ』は、女性の性問題を取り上げるなどして、10%を超える高視聴率を獲得しているだけに、『ごごナマ』も、NHKならではの切り口で番組を制作すれば、『ひるおび!』や『ミヤネ屋』を脅かす存在になり得るのでは。当然司会も、人気アナウンサーを起用することになるでしょう」(テレビ関係者)
『ごごナマ』のスタートに、民放各局は早くも戦々恐々としているという。時間帯的に、主たる視聴者は主婦層と高齢者。それらの層に受け入れられる番組づくりができれば、『あさイチ』同様、高い視聴率を取る可能性も十分。他局も指をくわえて見ているわけにもいかないだけに、昼の情報番組戦争が、さらにホットになりそうだ。
(田中七男)