女子刑務所での受刑者の時給は10円! シャバに出ても役に立った作業とは?
■シャバに出ても役に立った作業とは?
作業は施設によって違いますが、女子刑務所の場合、縫製(刑務官の制服を縫うところもあります)、お盆や家具などの木工(「矯正展」という展示会で販売します)、金属加工(電気製品の部品などを一般企業の委託を受けて作ります)が多いです。
このほか受刑者の食事を調理する「炊場(すいじょう)工場」、刑務官の食事を作る「官炊(かんすい)工場」、舎房着などを洗濯する「洗濯工場」、受刑者の労働時間と賞与金などを計算する「計算工場」、差し入れの本や新聞の仕分けをしたり、備え付けの本(官本)の整理や修繕をする「図書工場」、施設の修理をする「営繕工場」、施設内の清掃をする「内掃(ないそう)」、外の草刈りなど施設回りの清掃をする「外掃(がいそう)」などがあり、こうした作業を拘置所で受け持つ場合もあります。
これらの作業に就ける人は、いわば「エリート」ですね。包丁やアイロンなどの危ないものを持ったり、外に出ての作業などは、誰もがさせてもらえるわけではないのです。そして、施設によってはネイリスト、介護職、ボイラー技士、危険物取扱者などの資格取得ができます。ちなみに私はフォークリフトの資格と宅建の講習まで受けさせていただきました。リフトは工場などで働くには本当に必要な資格なので、免許証は大切に保管しています。ほかには配食や縫製を教える係を担当しましたが、特に縫製は覚えておいてよかったです。
シャバに出てからも、息子のズボンや地元の「だんじり祭り」の法被(はっぴ)などをどんどん縫っています。裁縫とミシンは誰にも負けない自信があります。ホント役に立ちますよ。……が、木工とかは、シャバではあまり役に立たないのと違いますかね(笑)。
また、施設によってはお神輿や漆器、革靴などを作っているところもありますし、佐賀の鳥栖にある麓(ふもと)刑務所製のミニソーイングセットのような小物もあります。こうして思えば、ムショもいろんなことをやっていますねえ。でも、もう行きたくないです。では、次回また。
中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などの出演でも注目を集める。
経営するラウンジ「祭(まつり)」