『ハイロー』『おそ松さん』2016年ヒット作を“元アウトローのカリスマ”瓜田純士が斬る!
――いわゆる“腐女子”からの人気も高いみたいです。
瓜田 腐女子って、なんですか? ピンクローターをグリーンに塗り替えて、「私のだけはグリーンローター」とか言って悦に入ってる変態のことですか?
――いや、男性同士の恋愛を扱った小説や漫画などを好む女性のことです。
瓜田 変態に変わりないじゃないですか。変態の気持ちなんて俺にはわかりませんよ。
――腐女子とまではいかずとも、六つ子がワチャワチャしてるのを「仲いいね、君たち」「かわいいね、君たち」という感覚で眺めるのが好きな一般女性も多いようです。
瓜田 それって結局、「かわいいと言ってる自分がかわいい」んでしょ。ちなみにウチの嫁はこの六つ子を見て、「全然かわいくない」と言って怒ってましたよ。
――あとは、「20代なのにニートで彼女ナシなど、ダメさしかなく、見ている側が構えなくていい」というファンの声もあります。
瓜田 それも結局、自分より劣ってるものを見て、安心感を得てるだけなんじゃないですか? まぁ、いろんな人がいていいとは思うけど、俺はそいつらとは関わりたくないし、この作品を見ることも二度とないでしょう。もう、ほとんどアレルギーに近いですね。原作をパロった『北斗の拳 イチゴ味』はまだ可愛げがあったけど、これはちょっとひどいな、自己満にもほどがあるな、と思いました。
――どういうところが自己満だと?
瓜田 ストーリー全体が投げっぱなしというか、わかりやすいアナウンスがないまま進んでいくじゃないですか。『サザエさん』(フジテレビ系)のエンディングのみんなで家に入っていくシーンを、何時間もぶっ通しで見せられてるのに近い。どこで笑ったらいいのか、さっぱりわかりませんでした。
――そのシュールさがウケてるのかも。
瓜田 そんな奴は、中国のドラマや韓国のバラエティーを字幕ナシで見て笑ってりゃいいじゃないですか。
――おそ松ファンの熱量は高いですから、あまりボロクソ言うと、あとが怖いですよ。
瓜田 怒らせましょうよ。バリバリに。やってみろよ、この野郎!……つか、もう帰っていいですか? 腰が痛いし気分も悪くなってきたから、早く帰って寝たいです。
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どうやらマッチメイクに無理があったようだが、ケンカ上等の元アウトローを、ダウン寸前に追い込んだのは事実。それだけパンチの効いた作品、ということなのかもしれない。
(取材・文=岡林敬太)